
政府の2021年度予算案決定に向けた大臣折衝が17日に行われ、国土交通省関係では、あらゆる関係者が協働して取り組む「流域治水」の推進と整備新幹線の着実な整備の事業費が麻生太郎財務大臣から認められた。これまでの治水対策を抜本的に見直す「流域治水」では、地方自治体の取り組みを支援する防災・安全交付金について増額を図った上で、そのうち流域治水関連施策には3000億円程度の優先的な配分を確保する。
対象となる事業例としては、▽河川堤防や遊水地等の整備▽民間企業等による貯留施設の整備▽リスクのより低い地域への移転の促進▽高台などの避難場所の整備▽ハザードマップやマイタイムライン等の策定―などがある。
赤羽一嘉国土交通大臣は「防災・安全交付金は地方自治体から大変喜ばれている予算」とした上で「国では分かりにくいような身近な防災対策に使っていただきたいということで、財務大臣から了承を得られたことは大きな成果」と話した。
また、建設中の整備新幹線のうち、工期が1年程度遅延し、事業費も大幅に増加する事態となった北陸新幹線(金沢・敦賀間)に関しては、工事実施主体である鉄道・運輸機構の統治・管理、国交省による監理監督の在り方などの諸課題への対応について引き続き検討を進め、結論を得ることを前提とした着実な整備を図るため、前年度同額となる804億円が要求どおりに認められた。