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【4月の経審改正】 新たに技術・技能向上を加点評価
2021/03/26建設時事
建設メール
国土交通省は26日、4月1日からの経営事項審査（経審）の審査基準改正に伴う告示を公布した。2019年および20年の中央建設業審議会総会で了承された内容を具体化したもので、社会性等を評価するW点では「知識及び技術又は技能の向上に関する取組の状況」（W10）を新設する。技術者の評価は、所属技術者が審査基準日前の1年間に取得したCPD単位の平均値で行う。技能者の評価は、所属技能者のうち建設キャリアアップシステムに伴う能力評価基準で受けた評価（レベル）が、審査基準日前の3年間に1以上向上した者の割合を対象とする。評点は特定の計算式で算出される数値に応じて審査を行う。
技術者数は監理技術者、主任技術者、一級技士補および二級技士補の数の合計で、CPD単位取得数は、所属する技術者が取得したCPD単位の合計数とする。各技術者のCPD単位は、審査対象年にCPD認定団体によって取得を認定された単位数を、告示で掲げるCPD認定団体ごとの数値で割り、30を掛けた数値とする。各技術者のCPD単位の上限は30に設定。各団体の単位の取得難易度のばらつきを無くすため数値は均一化した。
技能者数は、審査基準日前の3年間に建設工事の施工に従事した者で、作業員名簿に氏名が記載される者の数とする。技能レベル向上者数は審査基準日前の3年間でレベルが1以上向上した者の数となる。能力評価基準による評価を受けていない場合はレベル1として審査する。レベル4の評価を受けている者は控除対象者となる。
W10の評点は満点を10点とし、算出された数値に基づき審査。総合評定値（P）は最大で約15点の加点となる。
技術職員数（Z1）の関係では、改正建設業法で新設された監理技術者補佐は、主任技術者資格を有し、一級技士補である者であるため、経審上は主任技術者相当よりも上位で監理技術者相当よりも下位の「4点」として評価する。
労働福祉の状況（W1）に係る改正では、法定労災の上乗せとして任意に補償制度に加入している場合に加点の評価対象となる補償制度の提供者について中小企業等協同組合法に基づき共済事業を営む者との間の契約も同様に加点することにした。
建設業の経理の状況（W5）の改正では、公認会計士等数の算出に当たって算入できる者を見直す。公認会計士は公認会計士法の規定、税理士は所属税理士会が認定する研修の受講者が対象。1級または2級登録経理試験の合格者は5年に1度の講習が必要となり、現状では建設業振興基金が任意で行っている講習受講も認める。また16年度以前に1級または2級の登録経理士試験合格者も、22年度末までは経審上の評価対象となる。
