【建設資材需要+記者の眼】 安定調達へ関係機関が情報共有図る
2016/09/08記者の目/論説
建設メール
国や関係資材団体による本年度の建設資材需要連絡会合同会議が8日に国土交通省で開かれ、建設資材の需要動向や資材業界の業況について情報共有を図った。
冒頭、国交省大臣官房の七條牧生・技術参事官は、先日公表した建設投資見通しや主要建設資材の需要予測に触れながら、「3年ぶりに全ての資材でプラス予測となっている。現在、主要な建設資材の需給状況は安定しているが、公共事業を円滑かつ着実に進めるためにも建設資材の品質確保と安定的な供給が重要。熊本地震の発生や台風など突発の災害に応じた需要の発生もあるので、引き続き連携を密にして、きめ細やかな情報共有を通じた対応を行いたい」とした上で、それぞれの立場から全国の資材メーカー、建設企業、行政担当者などへ会議内容の周知を図ることを要請した。
なお、国交省が公表した2016年度主要建設資材の需要見通しでは、16年度建設見通し(名目値)が前年度比1・6%の増加となったことから、全ての資材で昨年度の実績値と比べて増加する見通しになっている。
〈記者の眼〉
各年度の公共事業量に出荷量が左右される資材では、地方自治体の早期発注の影響がようやく出始めたところも多いようだ。本年度は災害復旧や大型補正予算が見込まれるため、当面は好調な需要が続くと思われる。ただ長年にわたり公共投資の減少が続いた結果、経営が逼迫し、資材を確保する以前に人材確保もままならない会員企業を抱える団体もある。資材会社でも若手が入らず社員の高齢化が進み、土曜日も休めないといった問題に頭を悩ませている。工事や業務の担い手に加えて、資材会社の担い手も確保できなければ公共事業の円滑な執行に支障をきたすことを忘れてはならない。