【建設関連業+記者の眼】 測量業者は12年連続で減少に
2016/09/28記者の目/論説
建設メール
国土交通省がまとめた2015年度末における建設関連業登録業者数の状況によると、前年度比で建設コンサルタント業と測量業は減少したが、地質調査業は増加した。
測量業は前年度比で115業者減っており、12年連続の減少。新規登録業者数は344業者あるものの、廃業等で212業者、更新切れで247業者の登録が減った。登録業者数が最も多かった03年度と比較すると2750業者の減少(18・6%減)となる。
建設コンサルタントは前年度比13業者の減で、今回、減少へと転じた。
地質調査業は前年度から4業者増えており、2年連続で増加している。
3業種の兼業状況をみると、前年度比で3業種とも登録している業者が4業者増加した。専業業者は地質調査業のみ増加となった。
関東甲信越地区をみると、3業種全てで前年度から減少しなかったのは神奈川県のみ。3業種全て前年度から減少したのは山梨県と長野県だった。
〈記者の眼〉
12年連続で業者数が減った測量業だが、本年度から本格的に始まったICT土工では3次元起工測量を行う必要があるため、今後は新規登録業者の増加が予想される。その一方で廃業や更新しない業者も増えると考えられ、来年の調査結果に注目が集まりそうだ。3業種の中で最も業者数が多い測量業では8割近くが専業業者。これに対して建設コンサルタントの約7割は測量業を兼業している。測量業者数の増減は大半を占める専業業者の動向が大きく影響し、生き残りの鍵を握るのは3次元測量への対応だろう。ただ、ドローンを中心とした3次元測量のノウハウを身につけることで、測量以外の分野で新たな仕事につながる可能性も出てくる。ピンチはチャンスでもある。