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【国土交通省就任インタビュー】 水管理・国土保全局長 岡村次郎氏「流域治水を一層進める」
2022/09/05インタビュー
建設メール
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「仕事しやすい環境整備を」岡村局長
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国土交通省水管理・国土保全局の岡村次郎局長は、着任早々に大雨被害が発生したこともあり「毎年のように起きている災害にしっかり対応していくのが自分の仕事だとあらためて認識した」と話す。被災地の状況を目の当たりにし「とにかく復旧・復興を急がなければならない。地域に寄り添ってやるべき仕事をやっていきたい」と語る。また「災害大国日本においては建設業があってこそ経済が回る。現場で昼夜を問わず本当にご苦労いただいており、建設業の存在なしに日本はやっていけない」とし、建設業が仕事をしやすい環境整備が必要と強調する。
気候変動への対応では「河川整備基本方針の見直し作業を行っている。109水系のうち5水系まで対応してきているが、さらに進めなければならない。また、あらゆる関係者と一緒に流域治水を進める。昨年の法改正を受け、特定都市河川の指定などロードマップを作ってやっていく。今回の災害を受けて、水管理・国土保全局は下水道部と一体だということを再認識した。下水道と一緒になって流域治水を一層進めたい」と力を込める。
カーボンニュートラル実現に向けては「今年から始めているハイブリッドダムは息の長い取り組みになる。事前放流で水位を下げることと、雨が降らなければ治水容量で水位を上げて発電量を増やすという両方の取り組みをやっていく。これまで役割分担を決めていたが、相互乗り入れをしようという概念。新しいダムを造ることが難しい中で、今あるダムを有効利用することが大事。水力発電はカーボンニュートラルにも治水にも寄与する」と説明。さらに「ハイブリッドダムの仕事は、地域振興も意識した取り組み。カーボンニュートラルに関心のある民間企業と連携しながら進めたい」と意欲を見せる。
建設業の担い手確保に向けては「国が率先して週休2日を実施してきた。都道府県でも進んできており、市町村も少しずつ意識が高まってきている。統一閉所の日を作るなど、まずは公共工事から定着させていかなければならない。若い人が入って来る環境づくりが必要」と指摘。加えて「建設業の魅力を引き出すためにも技術開発が重要。新しい技術をどんどん活用し、最先端の技術を使っているという実感を持ってもらえればと思う。当たり前のことをやらなければ他の産業から遅れていると言われてしまう」との考えを示した。
【略歴】おかむら・じろう
1990年東大大学院工学系研究科修了、建設省採用。国交省水管理・国土保全局治水課河川整備調整官、同課事業監理室長、中部地方整備局企画部長、水管理・国土保全局河川計画課長、大臣官房技術調査課長、北陸地方整備局長を経て本年6月28日付で現職。56歳。奈良県出身。
