【入札情報漏えい問題+記者の眼】 ネクスコ中日本が抜本的再発防止へ
2016/11/04記者の目/論説
建設メール
中日本高速道路は、東京支社横浜保全・サービスセンターの施工管理業務を委託していた会社の社員が工事入札に関する秘密情報を工事会社へ漏えいした事件を受け、抜本的な再発防止対策を講じる。不正競争防止法違反の罪で2日に略式起訴された当該社員は、東名高速道路関係のコンクリート構造物補修工事2件で設計金額の情報を工事会社へ漏らした。その情報を入手した工事会社は2件の工事入札に参加し、いずれも落札していた。
同社では今回の事件を極めて重大に受け止め、事件の関係者に厳正な処分を行うとともに、外部有識者による調査委員会を設置して発生原因の調査を進めている。調査委員会では同社における設計金額などの情報管理の問題点についても徹底した調査を実施する予定で、今後、調査結果を踏まえて抜本的な再発防止対策を構築した上で、速やかに実行へと移す考え。
〈記者の眼〉
問題となった工事のうち、1件は指名競争入札で行われたもの。高速道路会社が発注する指名競争入札ではよくあることだが、入札不調に伴い一般競争から指名競争に切り替えて行われた今回の入札では151社が指名されたものの、145社が辞退した結果、応札者は6社だった。設計金額の情報漏えい問題とは直接関係はないのかもしれないが、もっと応札する可能性がある業者を絞り込むための指名基準見直しが必要だろう。当然ながら工事の発注準備や工事施工段階の監督業務の補助を外注する施工管理業務で情報漏えい事件が起きたことは大きな問題であり、同様の業務を今後適切に発注するための再発防止策が注目される。