【橋梁耐震化】 緊急輸送道路は今後10年で補強完了
2016/11/17建設時事
建設メール
国土交通省は、熊本地震を教訓として災害時の緊急輸送道路となる高速道路や直轄国道における橋梁の耐震化対策を強化する。大規模地震の発生確率などを踏まえ、落橋・倒壊防止対策に加えて路面に大きな段差が生じないよう支承の補強、交換といった対策を加速することで、被災した場合でも機能を速やかに回復させることを目指す。今後10年間に全国で耐震補強を完了させる。
当面5年間は、今後30年の間に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率が26%以上ある南海トラフ地震や首都直下型地震の発生が想定される太平洋側地域を中心に対策を完了させる。
また、地方自治体が管理する高速道路や直轄国道をまたぐ跨道橋については、少なくとも落橋・倒壊防止を満たすための対策を今後5年間で優先的に支援する。対象は地方管理の約400橋。
さらに熊本地震で落橋したロッキング橋脚に関しては、前震と本震の2度の大きな地震だったという特殊性から、従来の対策では不十分で落橋の可能性が否定できなくなったと判断。落橋防止対策が一部未了で、落橋した場合の影響が大きい高速道路・直轄国道をまたぐ跨道橋等のロッキング橋脚(450橋)は3年程度で橋脚補強を行う。