【ICT土工】 地方への普及拡大で茨城県がモデル第2弾に
2016/12/07建設時事
建設メール
国土交通省は建設現場の生産性向上を目指すi-Constructionの取り組みのうち、直轄工事で進むICT土工を地方の自治体や中小建設業者にも本格的に普及拡大させる。来年度に予定する普及加速事業に先立ち本年度は先導的モデル自治体として初弾に静岡県、第2弾に茨城県を選定した。
茨城県はICTモデル工事の実施にあたり、6日に県、国交省、関連業界団体などで構成する「いばらきICTモデル工事支援協議会」の準備会を開き、来年1月中に協議会を設立することを決めた。受注業者へのICT施工に関する施工計画の立案支援、機材導入の支援や貸与、中小規模工事におけるICT活用効果の検証と効果・メリットなどの普及活動を行うことで、地域の中小建設業者が初期の段階からICT活用を円滑に導入できるように支援し、生産性向上につなげる考え。
ICTモデル工事に関して茨城県では国交省に準じて実施方針案を作成しており、推進する工種として河川土工、海岸土工、砂防土工、道路土工を想定する。また港湾事業や区画整理事業に関しても導入を検討していく。
本年度はモデル工事を年明けに2件発注する。発注にあたっては、国が取り入れている「発注者指定型」「施工者希望型」のほか、オリジナルで「施工者内容協議型」「その他の工事」の2パターンを用意。来年1月に発注する工事は「施工者内容協議型」とし、協議会内で出たICTの検証内容などを受発注者で協議しながら工事に反映していく。
「その他工事」は、モデル工事指定のない発注済みの工事などで、受注者側が「ICT土工を取り入れたい」と提案した場合、内容などを精査した上で、モデル工事に位置付ける。
非公開で行われた準備会では、参加者から「生産性向上の手段だけでなく自信と誇りを持てるような建設産業の実現につながれば」「企業単独では取り組みを進められない。この分野への重点的な投資をお願いしたい」「段階的に進めてほしい」などの意見が出たという。
茨城県の支援協議会は地元の建機メーカーや測量団体がメンバーに加わっている点が特徴であり、茨城県内の取り組みが好事例となって、今後、全国に広がる可能性もある。