【インタビュー②】 今後の舗装マネジメントについて/国交省・長谷川道路保全企画室長に聞く
2016/12/07インタビュー
建設メール
これからの舗装マネジメントのあり方について、どのように考えていますか
長谷川 これからの舗装マネジメントでは、表層の適時修繕と、道路特性に応じた舗装管理が重要と考えております。
舗装は、路面から順に表層、路盤、路床となっていますが、アスファルト舗装のひび割れやコンクリート舗装における目地部の損傷を放置すると損傷箇所から路盤に雨水等が浸入することにより路盤の支持力が低下し、舗装構造全体の損傷につながります。このような状況になると表層等のみを修繕する切削オーバーレイ工法などを行っても早期に路面が損傷してしまうため、最終的には路盤も含めた修繕が必要となり、表層等のみを修繕した場合と比較すると、費用は概ね3倍以上、工事期間は概ね4倍となります。このため、維持管理においては、路盤を健全に保つことが必要であり、そのためにも表層等の適時修繕による予防保全が重要です。
また、舗装は大型車交通量の多寡により劣化の進展に大きな差があるとともに、走行速度に応じて求められるサービスレベル等が異なることから、それらに応じた管理が必要となります。このため、道路を大型車交通量等で大きく2つに分類し、道路特性でさらに4つに分類し、それぞれについてマネジメントのあり方を整理しました。特に交通量の多い道路は、損傷の進行が早い一方で、路線の重要性が高いため、舗装工事による道路交通への影響は大きく、路盤までの修繕を行う場合、工事費のみならず工事期間も増大することから、社会的影響はさらに大きくなります。このため、路盤の保護を目的に表層等の適宜修繕が行えるような点検体系を構築する必要があると考えています。(つづく)