見たもん勝ち ～建設業応援団～
〈日々の栞〉 労働と休暇のバランス
2023/12/21コラム
日々の栞
▼2024年4月から時間外労働の上限規制が建設企業にも適用される。建設業界は長時間労働を是正しワークライフバランスの改善により魅力ある業界にすることで慢性的な人手不足の改善につなげたい
▼経済協力開発機構（OECD）が調査した21年度の労働時間統計によると、パートタイム労働を含む日本の年間労働時間は1607時間だった。同統計で他の先進国の状況を見ると、ドイツは1341時間、フランスは1511時間
▼ドイツは労使間の話し合いや団体交渉を積極的に行い、段階的に労働時間削減に取り組んできた。一方、フランスの場合は週35時間に労働時間を規制する法整備の影響が大きい。労働時間の上限はドイツが1日8時間、フランスは1日10時間で、日本と大差はないが、休暇に関してはドイツが1年につき年次有給休暇を24日以上取得可能。フランスではパートタイムの従業員もフルタイムと同様に年間25日分の有給休暇が付与される。日本とは人口や環境、抱える課題も違う両国だが、働き方改革を考えるに当たって参考になる部分は非常に多い
▼日本と比べ労働時間が短い先進国は、1日当たりの労働時間はおおむね日本と変わらないが、休暇日数は多く確保されている。労働者自身や企業、社会全体にとって、このバランス感が重要なのだと思う。無理のある労働時間短縮でサービスが低下しては元も子もない
▼日本は高齢化率が世界トップの超高齢化社会。15年後には3人に1人が65歳以上だ。働き方改革は必須の取り組み。ドイツやフランスも高い高齢化率を示している中で学ぶべきポイントは多い。（新潟・KW）
