見たもん勝ち ～建設業応援団～
【新労務単価】 上限規制対応求める／技能労働者へ適正賃金を
2024/02/21積算・資格news
建設メール
国土交通省は、16日に発表した設計労務単価の引上げを踏まえ、都道府県など地方自治体、建設業団体、民間発注団体へ「技能労働者の適正な賃金水準の確保について」要請を行った。新単価は4月からの時間外労働上限規制適用も踏まえて設定しており、その対応を含め適正な賃金水準を確保し、処遇改善を図る環境を整えるよう求めた。今後も継続して賃金を引上げ、適正な利潤を確保し、さらなる賃上げにつながる好循環が継続されることが重要になっている。
都道府県の契約担当、市町村担当および政令指定都市には、新労務単価の早期活用、請負代金額の変更、法定福利費や社会保険加入、ダンピング対策、適正工期と必要経費の確保、CCUSの活用を求めた。
新労務単価は予定価格の積算に当たっては、入札手続き中のものも含めて、速やかな活用に努めるよう要請。請負代金の変更はスライド条項に関して、的確に契約変更などが実施できるよう条項を適切に設定、運用基準を設定しておくこと。適正工期等の確保に関しては、時間外労働上限規制を踏まえて設定されていることから長時間労働を防ぎ、休日確保を前提とした工期を設定、週休2日工事の確実な実施、対象拡大に努めることを求めた。さらに、受注者に対して上限規制適用への準備、業務改善などによる時間外労働削減等の取り組みを着実に進めるよう強く促すよう要請している。
建設業団体には、まず、技能労働者の隅々まで適正な水準の賃金が支払われるよう、最大限努めることを求めた。新労務単価を踏まえた請負代金の変更、法定福利費等の適切な支払いと社会保険加入徹底、若手入職者の積極確保、ダンピングの取りやめ徹底などを要請。時間外労働上限規制を踏まえた新単価になっていることから、適用に向けた準備として業務改善など時間外労働削減等に着実に取り組むことなども合わせて求めている。
民間発注者団体に対しても、発注者、元請け、下請けが新労務単価を踏まえた適正な請負代金による契約を行い、技能労働者の賃金水準の改善が必要とした。通知項目としては、適正価格による工事発注で、労務費へのしわ寄せを防ぐ意味も含め元請け業者によるダンピング受注の防止へ配慮、法定福利費等の関係や適正な工期、必要経費の確保についても言及した。
