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【河川整備基本方針】 今後の変更検討へ／23年度検討を踏まえて
2024/05/09建設時事
建設メール
国土交通省は気候変動を踏まえた河川整備基本方針の変更に関して、2023年度に検討を行った水系での知見を今後の変更検討に生かすための視点を示した。基本高水のピーク流量についての留意点、降雨波形や流出特性等が類似する隣接水系の審議方針、河川環境の整備と保全の基本的な考え方を基本方針変更の考え方へ追加・修正を行う。また、水系での検討の中で出てきた検討事項は事例集などとしてまとめ、変更検討時の材料とする考え。
109ある一級水系のうち23年度は11水系で検討・基本方針変更を実施、利根川など3水系は審議を進めている状況。22年度までに7水系で変更を行っているため、変更済みは18水系となっている。
基本高水のピーク流量の考え方は、気候変動を踏まえ、洪水規模に基づいた確率評価に気候変動による降雨量の増加（降雨量変化倍率）を加味して基本高水を設定する。全国統一的な方法を用いる。雨量データに基づき、気候変動による降雨量増加（1・1倍、1・15倍の降雨量変化倍率）を考慮して新たに設定する。
隣接水系は、降雨特性や流出特性等類似する場合が考えられるため、類似が想定される隣接する水系は、可能な限り同時に検討、分析を進める。
良好な河川環境の整備と保全・創出の考え方は、河川環境管理シートを活用し、区間毎に具体的な環境保全・創出の目標を設定する。事業計画への反映、事業実施、順応的な管理・監視へとつなげる。
このほか、今後の水系検討時に活用する検討事例として▽アンサンブル予測降雨波形の更なる活用▽降雨継続時間の変更による基本高水のピーク流量への影響▽流域全体を俯瞰した流量配分の検討▽引堤や河道拡幅、遊水地等の整備（引堤、遊水地の可動堰化）▽ダムの事前放流や再開発・放水路の拡幅等の既存施設の有効活用（ダム群の容量再編、放水路の拡幅）▽河川の整備や管理の技術の進展等も踏まえた方策（堤防の防護を前提とした河道の徹底活用、河道の貯留効果の増大）▽支川も含めた流域全体で計画的に安全度を向上させていくための流量配分―を挙げており、今後は事例集的な形でまとめて検討に生かしていく。
