見たもん勝ち ～建設業応援団～
【低炭素型コンクリート】 整備局など試行呼び掛け／使用量増大も視野
2024/06/21建設時事
建設メール
国土交通省はカーボンニュートラルの取り組みで、低炭素型コンクリートの対象と工種を拡大するとともに、試行工事の実施を各地方整備局に呼び掛けている。試行は件数よりも使用するコンクリートのボリュームにスポットを当てる考えもある。
グリーン購入法の関係で高炉セメントB、30％以上セメントを高炉スラグに置き換えたものが使われている。それよりも高含有、セメント使用量をさらに低減させた低炭素型コンクリートは試行工事として22年度8件、23年度20件で行われた。石灰石資源の節約、省エネルギー効果、CO2発生抑制効果がある。
また、CO2固定化コンクリートは、別に排出されているCO2を吸い込み固定するもので、経済産業省のグリーンイノベーション基金（GI基金）で3件実施している。
24年度は、低炭素型コンクリートの拡充としてセメントの置換材を高炉スラグ微粉末から、フライアッシュ、シラスなども加えるとともに、プレキャストに限定していた対象工種も制限なし、現場打ちも対象にした。地方整備局などに対して試行実施を打診している。
炭素取引等の議論が経済産業省、環境省で活発化していく流れがある中、国交省としても脱炭素であれば無制限に費用を投じることはできない。CO2排出削減量、費用対効果などを考慮して試行を行う考え。
これまでの試行工事では北陸地方整備局以外は実施している。24年度の試行に関しては件数を増やすことに加えて、次の段階としてコンクリートを使用する量、ボリュームを増やしていきたいという。さらに、ある程度地域を限定した方が進めやすい可能性もあり、今後の検討となる。
