見たもん勝ち ～建設業応援団～
【適正な工期設定】 受発注者協議は6～7割／民間工事さらなる取組みを
2024/08/06建設時事
建設メール
国土交通省は、主に民間工事について適正な工期設定などによる働き方改革に関する2023年度の調査結果を明らかにした。結果からは工期を設定する際に受発注者間で協議を行っている割合が増えており、民間発注者の6割が協議を実施。建設企業側も7割以上が協議を行っていると回答。要望が受け入れられたのは前回調査よりも約10ポイント増加し6割を超えた。技術者、技能者の休日状況などからも、適正な工期設定の取り組みが必要となっている。
調査は、建設関係の116団体の会員企業、不動産、運輸・交通、住宅業界等の民間企業。建設企業からは1302社、発注者102社から回答を得た。1月1日時点で、22年12月以前に請け負った工事を対象としている。
休日の取得状況に関して「4週8休」とする割合について、技術者は前年度比9・5ポイント増加し21・2％となった。技能者は14・8ポイント増加して25・8％となるなど、改善傾向が見えたものの、両者とも「4週6休程度」が最も高い回答だった。
月平均の残業時間が45時間以上となる技術者がいる企業は14・9％、技能者の場合は9・0％。調査は上限規制前のものだが、上限規制を超えて残業を行っているうち特別条項を超過する技術者がいる企業は17・2％、技能者の場合は4・7％となった。
これらの結果から、引き続き工期の適正化が求められる。公共工事中心と民間工事中心で4週8閉所の導入率に差が見られ、公共工事中心の方が高い導入率になっている。
このほか、建設企業に対し、物価などの高騰で工事に影響が出た場合の変更契約について尋ねている。影響が出た場合でも4割以上の企業が注文者に依頼をしない、協議依頼しても応じてもらえないと解答。協議した場合、全て契約変更が行われたのは全体の約2割にとどまっており、契約変更への取り組みも引き続き進める必要がある。
これら調査は時間外労働の上限規制適用前の契約案件が対象であることなどを考慮すると、対応に向けて改善が進んでいるのは確実で、24年度調査の結果がどうなるのか注目される。
