見たもん勝ち ～建設業応援団～
【就任インタビュー】 災害に強く、経済成長支える／関東地方整備局・岩﨑福久局長
2024/08/20インタビュー
関東地整発
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抱負を語る岩﨑局長
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7月1日付で関東地方整備局長に就任した岩﨑福久氏が日本工業経済新聞社などのインタビューに応じた。「生産年齢人口が減少していること、切迫する首都直下地震、地球温暖化の影響で頻発化、激甚化する水害、土砂災害対策、さらにはインフラの老朽化も加速している」とさまざまな課題が山積していることを挙げ「災害に強い、地域の経済成長を支える持続的なインフラの整備・管理を着実に進めていきたい」と意欲を見せる。関東地整の企画部長としての勤務経験があるが「やり残したこともある」とし「これまでの経験を生かして貢献していきたい」と述べる。
就任に当たり「関東地整が所管するエリアは日本の中枢。重要なエリアのインフラ整備、管理に携わることで重責をひしひしと感じている」と話す。治水面では「直轄河川は8水系あり、流域治水にしっかりと取り組んでいく。下流でいったん決壊すると首都圏が水没する可能性もある。7月に気候変動を踏まえた利根川水系の河川整備基本方針が改定されたので、首都圏を守るため既存洪水調節施設の最大限の活用や整備などあらゆる方策を総動員することが重要で、河川整備計画の検討を加速化したい」との見解を示す。
経済成長を支えるインフラとして「外環道や圏央道などの幹線道路ネットワーク、横浜港などの機能強化を進めていきたい。地域から期待の大きい外環道、新湾岸道路、中部横断道の長坂～八千穂間、核都市広域幹線道路（埼玉新都心線～東北道付近）の計画検討も重点事項として取り組みたい」と語る。
災害への備えとしては「首都直下地震に備えた道路啓開を行う八方向作戦、水路、航路、空路の連続性を確保できるような訓練などを通じて、実効性を高めてインフラの耐震対策、老朽化対策を進めたい」と言う。
インフラの整備や管理、災害対応を将来にわたって持続的に進めていくために「体制整備も急務」だと考える。続けて「体制というのは、われわれのパートナーである建設産業のことで、職人が減ってきていることを危惧している。重点的に体制の構築に取り組んでいかなければいけない。そのためにも、担い手3法改正を踏まえ、現場で取り組みを実践していくことを推進したい」と話す。「発注者を含めて、建設業の働き方改革、処遇改善、生産性向上、魅力向上に寄与していきたい」と意欲的。
4月から始まった建設業における時間外労働の上限規制適用では「昨年度開催した1都8県との建設業協会との意見を踏まえ、関東地整の取り組みとして週休2日、工事関係書類の統一、土木工事の電子書類スリム化ガイドなどを打ち出した。国のみならず、地方公共団体、特に市町村にも普及が進むよう注力していきたい」と説明する。
インフラDXの推進に関して「今年は『転換の年』に当たり、関東地整としても、いっそう磨きをかけなければならない。いい取り組みは横展開していくことも期待している」と言う。BIM／CIMの活用には「効果が実感できていないところもある」と指摘した上で「使い方をトライアルしながら、より使い勝手のいいようにできれば」との見立てを示す。
国土強靱化は「中期的かつ明確的な見通しのもとで、継続的・安定的に進めていくことが大事」との認識。「必要な予算の安定的かつ持続的な確保が大事なので、そのための取り組みをしっかりと行いたい」と語る。
【略歴】いわさき・よしひさ
1992年京都大学大学院修了（工学研究科土木工学専攻）、建設省（現・国土交通省）入省。関東地方整備局企画部長、国土技術政策総合研究所社会資本マネジメント研究センター長、総合政策局公共事業企画調整課長、中国地方整備局副局長などを歴任し、7月から現職。京都府出身。57歳。
1992年京都大学大学院修了（工学研究科土木工学専攻）、建設省（現・国土交通省）入省。関東地方整備局企画部長、国土技術政策総合研究所社会資本マネジメント研究センター長、総合政策局公共事業企画調整課長、中国地方整備局副局長などを歴任し、7月から現職。京都府出身。57歳。
