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【UR都市機構インタビュー】　中山靖史理事「変化の方向性を考えていく重要な時期」

2024/09/11インタビュー

建設メール

都市再生について語る中山理事

　2024年7月に都市再生機構（UR）の理事（都市再生企画等、まちづくり支援および技術調査担当）に就任した中山靖史氏は「変化の方向性を考えていく重要な時期」と情勢の変化への対応を示した。今後の大都市、地方都市の都市再生事業の在り方やDXなどの導入について話を聞いた。

―就任からこれまでを振り返り

中山　都市再生企画は大都市圏の都市再生、まちづくり支援は全国の地方都市再生を行う。技術調査は技術部門を統括する。大都市と地方都市は同じ都市再生でも異なる。現場の変化に対応し、その方向性を考えていく重要な時期。慣れ親しんだ職務だからこそ、新しい方向性を考えていきたい。技術調査は8年ぶりの担当。設計や施工における人手不足や働き方改革などの課題を重く受け止めている。建設DXの推進などによる省人化と働き方改革に取り組む。

―都市再生計画で重視する業務や課題と展望について

中山　URは、技術管理部門と事業経営部門が一体となり、工事費高騰などについて、議論できる。ゼネコンとも意見を交換し、良い関係を作っていきたい。工事費の高騰を家賃などへ転嫁するのは難しい。長期的で広域的な視点はURの一番の強みであり、求められている役割。URだからこそできる業務として、エリア全体の長期的、持続的な価値の向上に努めたい。

―まちづくりについて考えていることは

中山　中小ビル街区が、将来の課題になるだろう。既設のビルのリノベーションなど中小規模の開発を組み合わせた新たな都市開発モデルの創造を考えている。街区の魅力を保ちながら新たな価値を生み出し、防災力の強化や機能の更新などの課題に時間をかけて取り組みたい。全国のまちづくりに応用できるのではないかと期待している。

―技術調査分野の課題と展望は

中山　建設技術者が不足しており、人材育成が課題となっている。URも書類業務の負担軽減などの課題に取り組み、受注しやすい環境を整える必要がある。大量の賃貸住宅ストックへの対応で大量発注が必要な時期が来る。どのような体制で対応するか検討が必要。技能者の総数をすぐ増やすことはできないため、建設DXを活用した広く浅い多能工化が必要なのではないかと思う。建設DXの導入には失敗を許容し、修正を重ねる思考を持つことが必要だ。

【略歴】なかやま・やすふみ
1989年東京大学工学部卒業。住宅・都市整備公団採用、2019年都市再生部事業企画室長、22年東日本都市再生本部長を経て、24年7月より現職。東京都出身、58歳。

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