見たもん勝ち ～建設業応援団～
【クラウディングアウト】 棲み分けで対応／土木の公共、建築の民間
2024/09/19建設時事
建設メール
国土交通省は公共投資が民間投資を抑制する「クラウディングアウト」について建設業4団体との意見交換会で見解を示した。一つは、公共工事は土木工事が、民間工事は建築工事が大宗を占めるており、土木と建築では必要な技術、資格、技術基準等の体系が異なることから、建設会社も通常土木部門と建築部門とが棲み分けされている。また、安定的・持続的な公共事業が中長期的に見通せる場合、建設業サイドでも需要に応じて供給力の確保が図られているとした。
近年、建設業の人手不足が懸念されている中、公共事業関係費の予算規模の増加や公共工事設計労務単価の引き上げなど公共事業の諸施策の結果として、民間工事の円滑な施工に影響を及ぼすクラウディングアウトを引き起こすのではないかとの意見がある。実態として、公共事業が着実に執行される中にあって、民間工事も増加傾向にある。
こうした状況にはあるが、公共の中心が土木、民間の中心が建築に分かれることから、基本的に影響がないこと、また建設業側でも需要に応じた対応が図られるなどの実情がある。
建設費の上昇分が発注価格に十分に反映されていない場合は、施工者の確保が難しい事態が生じているものの、「適切な価格と工期で発注されれば、公共・民間を問わず、十分に施工が可能」になっている。
さらに、建設現場の生産性向上（省人化）の取り組みを進めることで今後、さらなる生産年齢人口の減少が進んだ場合においても、インフラの整備・維持管理は持続可能になるなどと説明した。
これらの話を総合すると、公共工事が民間工事をクラウディングアウトには当てはまらないのではないか、との見解だ。
