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【日建連】 担い手確保で目標未達／長期ビジョンをレビュー
2024/09/26業界動向
建設メール
日本建設業連合会（日建連、宮本洋一会長）は現行の長期ビジョンのレビューを取りまとめ、20日の理事会に報告した。また、新たな長期ビジョンを2025年6月ごろの理事会で正式決定する。現行のビジョンは15年に策定されたもので、25年の建設需要の見通しと日本の建設業再生に向けた政策の方向を提示した。レビューでは、社会保険加入や女性活躍の推進、省人化などの取り組みを高く評価したものの、賃上げや若年層の入職拡大など担い手確保に関する分野で、目標に及ばない見込みが示された。
宮本会長は「現長期ビジョンは、業界として多様な課題に取り組む姿勢を示すために策定した。これまでに4週8閉所の浸透や担い手3法の改正など、国を巻き込んだ活動ができていることは、その成果だと思う。前回の策定時から世相も変化し国際的な視野も必要となってきている。10年後を見据えて具体的な目標を考えるワーキンググループを設置し、策定を進めている」と説明した。
レビューの個別項目で見ると、建設市場規模は23年度の実質値が56・9兆円でレビュー推計値と比較すると、11・3％増と堅調。技能実習生などを含む技能労働者数は、23年度で305万人と推計の範囲内であるとした。高年齢層の離職については74万人の減少に留まり、就業を継続した高齢者推計以上に多かった。25歳から59歳までの技能労働者は211万人でありこちらも予想値よりも多い。
新規入職者の確保目標として34歳以下の若者90万人（うち女性技能者20万人以上）の確保を目標としているが、23年度時点で25歳～34歳の従事者が42万人であることから目標値に及んでいないと推定した。賃金水準を見ると、全産業と比較すると建設技能者の賃金水準は目標に至っておらず、高年齢層を除いて全産業の平均を下回っている。15年と23年を比べると20代以外の年齢層で全産業平均以上の上昇率となった。
社会保険加入促進においては企業別で100％を達成、技術系女性社員は14年には3・37％だったが、22年時点では8・2％で約2・4倍と大幅に増加し、ビジョンで掲げた目標を達成できた。
