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【国交省インタビュー】　法律に魂入れる／使い易い制度を武器に／渡邊哲至建設業課長

2024/12/02インタビュー

建設メール

渡邊課長

　7月に就任した国土交通省不動産・建設経済局の渡邊哲至建設業課長は、改正建設業法を実のあるものにしていくため「法律に魂を入れる作業をさせていただいている。建設業の皆さんにとって大事な役割を果たすことであり、肝に銘じて取り組んでいきたい」と意欲を示した。また、制度を武器に交渉などに臨んでもらいたいとの思いを明かした。

　建設業課は2度目になるが「災害時の建設業が果たす役割は本当に増している」と感じており、持続可能な建設業へ担い手確保が重要だという。前職は内閣法制局で建設業法改正にも携わった。「法律を作ることは大事だが、法律がうまく機能するような仕組みをつくることも重要。業界の声を聞きつつ、使いやすい制度にできるよう取り組んでいる」。

　価格転嫁の協議は、受注者側からおそれ情報を申し出て、それに基づいて協議する場合、誠実に協議するという規定が、注文者側にかかってくる。そういったルールを「うまく武器として使ってほしい」。ガイドラインの内容などを「武器として使えることを知ってもらうことが大事。説明会を全国で実施する」と前を向く。受注者だけでなく、発注者側も含め「説明会などで呼んでもらえれば、どこでも行きたい。建設業が関係するあらゆる場面で規定がうまく使われるよう、周知をしっかりやっていきたい」と熱を帯びる。

　価格転嫁のルールを「発注者にどう知ってもらうか。価格転嫁はサプライチェーン全体で負担する考えから、発注者に特に知ってもらうことを重視」。民間発注者として「デベロッパーは恒常的に発注者になる。建設業に対し発注する可能性のある団体などを通じて」働きかける。

　労務費の基準については「価格を安くするための切りしろに使えないようにしていく。サプライチェーン全体の中で適用していく相場観を作りたい」と語る。また、実効性を果たすため「建設Gメンなどが実際に取り締まっていく」。

　アジャイル型の施行については、一度基準を作っても運用しながら課題が出てくれば「必要なものは迷いなく変えていく。柔軟に、使い易いように。見直しに躊躇があってはならない」ときっぱり。

　新たな商習慣を根付かせるため、契約締結時に意識してもらいたいものがある。一つは、発注者と受注者が結ぶ契約で価格、工期が決まる。その契約内容の先には「下請業者、技能者がいる。その人たちの賃金、働き方を決めるものだという意識」。また、サプライチェーン全体を考え「そこでの契約内容を良いものにしなければ、最終的に建設業の魅力につながらない。建設業の未来を決めるぐらいの大切なものとの意識」。

　週末にはジョギングで汗を流す。健康のため、また、頭の中が整理できるそうだ。

【略歴】わたなべ・てつじ
1998年京都大学法学部卒、建設省入省。国土交通省水管理・国土保全局総務課企画官、大臣官房総務課企画官、内閣法制局参事官（第二部）などを経て7月から現職。1975年12月5日生まれ、香川県出身

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