見たもん勝ち ～建設業応援団～
〈日々の栞〉 「じゃがりこ」お前もか
2025/02/27コラム
日々の栞
▼スーパーによく行く。主に夕飯のおかずを買いに行くのだが、あまり早い時間だと刺し身に値引きシールが付いていない。遅い時間だと選べる品目が限られる。7時過ぎが狙い目だ
▼引き寄せられるようにお菓子コーナーにも寄る。「ポッキー」「きのこの山」「チョコボール」。君たちは魅力的だ。だが年齢を重ね塩気のあるものを好むように。ポテト系ははずせない。皆徐々に値が上がる。ポテトチップスに至ってはここ数年で3回も値上げ。4月からは「じゃがりこ」もだ。値段は変わらずとも内容量を減らす「実質値上げ」もみられる。「カントリーマアム」、君は随分人数が減ったね
▼価格変動への民間の対応は早い。一定の利益確保には経費の変動に合わせた価格上昇、ロット変更はやむを得ない。主力の品目であればなおさらだ。材料に加え人件費の高騰。今や時給1000円以上のバイトはざら。都市圏に比べ安い山梨でもだ
▼公共はといえば労務単価の改訂は年1回。資材などの物価対応は年複数回行われるものの、現状との乖離（かいり）はいなめない。取材で甲府市の建築業者が「高い賃金の工事に人が取られる。仕事があっても人が集まらないことを考えると怖くて受けられない」と言っていた
▼石破茂首相の指示により、3月から公共工事設計労務単価が引き上げられる。賃金上昇を踏まえてのものというが、1年のうちに、実勢価格とどれくらいズレるものなのか。その合わない分の負担はどこへ行くのか。さまざまなインフラの老朽化が進み事故も起きている。担い手確保を叫ぶなら、基本的な待遇は常に注視すべきだろう。（山梨・OS）
