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【関東地整就任インタビュー】　治水対策は待ったなし／室永武司河川部長

2025/05/14インタビュー

関東地整発

室永河川部長

　「関東の河川全ての治水安全度をどう上げていくのか、対策は待ったなし」と力を込める。国土交通省関東地方整備局では河川計画課長、広域水管理官ポストを歴任。令和元年東日本台風では、「頭の中でのリスクだったものが、目の前で見せつけられることになった」という。「たゆまず常にインフラ整備をしていく」ことの必要性を唱える。

　また「上下水道の老朽化にどう対応していくのかは喫緊の課題」と捉えている。上水道の整備、管理行政が厚生労働省から国土交通省に移管されて1年が経過。上下水道について「河川部長が旗を振らなければ部内に染みわたっていかない」とみている。自治体などを「どう支えるか、意見交換をしながら、しっかり考えていきたい」と語る。

　2024年度末、利根川の河川整備計画を改定した。「堤防、河道掘削、遊水地などの事業を具体化していくことが今年度の大きなテーマになってくる」と展望する。　このほか埼玉県内で整備中の「荒川第二・三調整池は特に力を入れていきたい」と強調。建設DXなどのモデルとして工事を進めていることにも触れ、「これからの施工のやり方、省人化のシンボルの事業になっていく」とみている。

　流域治水については「日本の治水のスタンダードになっていく」と言い切る。自然災害が激甚化していることを踏まえると「流域全体でどうやって何を守っていくのか、今後より一層、身につまされたものとしてみんなで考えていくことになる」という。「関東地整が流域治水のトップリーダーになれるように話し合っていきたい」と考えを述べた。

　特に思い入れの深い事業には、検証から竣工までの「一連を見ることができた」という八ッ場ダムを挙げる。

　仕事のモットーは入省直後の上司から教わった「概ねOK」という考え方だという。「大きく構えて仕事を回していくことを大事にしたい」と話す。

　週末は夫婦で畑仕事を楽しんでおり「レタス、ブロッコリーの収穫を終えた」

【略歴】室永武司（むろなが・たけし）
九州大学大学院工学研究科修了。1999年入省。国土交通省河川環境課河川保全企画室長、技術調査課建設システム管理企画室長、砂防部保全課海岸室長などを経て、4月より現職。佐賀県出身、50歳。

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