【道路橋示方書改定】 橋の設計供用期間100年が標準
2017/07/03建設時事
建設メール
国土交通省は橋や高架した道路等の技術基準(道路橋示方書)の改定案をまとめた。2012年以来の改定となり、多様な構造や新材料に対応する設計手法の導入、長寿命化を合理的に実現するための規定の充実、熊本地震を踏まえた対応などを行う。長寿命化の関係では適切な維持管理が行われることを前提に、橋全体としてみれば良好な状態を維持する期間として橋の設計供用期間は100年を標準とすることを規定する。
また、部材の設計耐久期間を定められるようにし、点検や補修に当たっての制約条件、想定しておくのがよい補修や部材交換方法など、維持管理の方法を想定して、耐久性設計を行うことも明確にしている。
多様な構造や新材料に対応する設計手法では、設計上見込む安全率を、安全率に影響を与える要因ごとに細分化して設定できる部分係数を導入。将来に向けて安全率の合理化を図ることができる余地を拡大できるようにする。さらに限界状態設計法の導入として、01年からの性能規定化の方法を踏襲しつつ、橋への要求性能をできるだけ体系化・普遍化した共通編を作成する。
熊本地震における被災を踏まえた対応では、ロッキング橋脚を有する橋梁が落橋したため、下部構造は安定して上部構造を支持することを要求するほか、斜面変状等を耐震設計上考慮すること、制震ダンパー取付部の部材接合部の留意事項を明確にする。
他にも施工に関する規程の改善として溶接検査の規定の明確化と、点検結果を踏まえた、ひび割れ防止対策も充実させる。
改定案は6月30日の社会資本整備審議会道路技術小委員会に提示したもので、7月中にも新基準を策定する。