【3カ年緊急対策】 国土交通省は67項目で実施へ
2018/12/14建設時事
建設メール
政府が閣議決定した「防災・減災、国土強靭化のための3カ年緊急対策」のうち、国土交通省関係では緊急点検結果を踏まえた対策62項目および既往点検結果を踏まえた対策等5項目の合計67項目について緊急対策に取り組む。特に緊急に実施すべきソフト・ハード対策を2020年度までの3年間で集中的に行い、国土強靭化の大幅な進捗を実現する。具体的な箇所や事業費は、予算成立時の実施計画で明らかになる見通しだ。
主なハード対策のうち、水害・土砂災害から命を守るインフラの強化では▽氾濫危険性解消(約2340河川)▽堤防強化対策(約120河川)▽円滑な避難を確保する砂防堰堤の整備等(約620カ所)▽人命への著しい被害を防止する砂防堰堤、遊砂地等の整備や河道断面の拡大等(砂防約410カ所、河川約20カ所)を進める。
災害時の非常用電源等の確保は▽下水道施設(約200カ所)▽道路施設(約1600カ所)▽気象・地震等観測施設(約1100カ所)▽水文観測所(約1100カ所)▽河川監視カメラ(約500カ所)が対象。
交通ネットワークの強化は▽道路法面・盛土対策(約2000カ所)▽道路橋(約600カ所)・道の駅(約30カ所)の耐震対策▽液状化によるマンホール浮上防止対策(約200㎞)と管路の耐震化(約600㎞)▽鉄道の河川橋梁の流失・傾斜防止(約50カ所)、土砂流入防止対策(約190カ所)▽空港護岸のかさ上げや排水機能の強化(約6空港)などで実施する。
身近なインフラの強化では▽冠水被害を防止するための道路(約1200カ所)やアンダーパス部(約200カ所)の排水施設等の補修▽特に改善が必要な約2800haの密集市街地解消▽駅(約40カ所)や鉄道高架橋柱(約5900カ所)の耐震対策を実施する。
主なソフト対策では、想定最大規模の降雨への対応として、洪水ハザードマップの作成を約800市町村で、約20自治体の地下街を持つ地区で内水ハザードマップの作成をおおむね完了させる。
また土砂災害の恐れが高い約250市町村で土砂災害ハザードマップを、盛土造成地マップは約600市区町村、液状化ハザードマップは約1350市町村、火山砂防ハザードマップは約10火山で作成完了を目指す。
河川情報の提供に向けては、約3900カ所で簡易型河川監視カメラ等の設置と水害リスクラインのシステム構築を行う。
他にも災害時の機動的な情報収集を可能とする全天候型ドローン(約30台)および陸上・水中レーザードローン(約10台)の広域配備、除雪機械増強の体制強化、無技術職員がいない自治体の電柱化事業実施の支援体制を構築する。