《連載①・グローバルスタンダード》 建設現場における技術者のあり方が変わる潮目の年
2019/06/17特集企画/PR
冬虫夏草
建設業に対する外国人労働者の受け入れが開始される。
従前の技能実習生と違い、永住も可能な外国人労働者の受け入れであり、建設現場における技術者のあり方が変わる潮目の年となるであろう。
期間に定めのない労働者の受け入れでもあり、経営者のみならず、日本人労働者全体が外国人労働者に対する接し方を考えるべき時である。
これは、元請け、下請の差がない話であり、全ての人が、グローバルスタンダードを知るべきであろう。
関東近郊に住んでいる人は、外国人に対して慣れる状況が一昔前とは随分多くなっていると思うが、定住している外国人と地域で接する機会は少ないし、基幹労働者として活躍する外国人と接する機会もまだ少ないであろう。
現在、基幹労働者として働いている人は、高度技術者(医者、弁護士、大学教授、SE、ALTなど)だったが、今回入ってくる現場労働者は生活水準などが違う為、対応も違ってくる。
代表的な例は、宗教である。
特に親しみがない宗教として、イスラム教がある。イスラム教は世界第2位の占有率で、宗教人口は約14億人(第1位はキリスト教で約23億人)。無宗教と言われる人が約10億人だから、世界的にイスラム教は“よくある”宗教なのである。特に、インドネシア、パキスタン、インドなどでは多く、日本に労働者として入ってくる可能性が高い国でもある。
しかし、これは日本だけではなく米国でもそうであるのだが、イスラム教徒が定住する際に地域住民とのトラブルは高確率で発生する。工場などで多数を雇い入れする場合、民間アパートを寮にしようとする際、地元へ説明会を開こうとすれば、反発は必須であろう。しかし、地元との交流がなければ、最終的な定着とは言えない。企業として、地元との交流会を開くなどして一人でも味方を増やしていく努力が必要である。
20年前は世界において、生の魚を食することは気持ちの悪いことだった。無理やり食べてみてと勧めると、生臭いと涙を流して吐き出した人もいた。
経験し、知ることで変わるのである。
寄稿者:冬虫夏草
長きに渡り、地方自治体における総合評価制度の実際の現場で評価に携わってきた
現在も総合評価制度を探究し、ゼネコンはじめ多くの建設企業から相談を受けている