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【国土交通省就任インタビュー】 国土政策局長 坂根工博氏「明るい国土の将来像描く」
2019/09/18インタビュー
建設メール
国土交通省国土政策局の坂根工博局長は「今後、人口減少、少子高齢化が進む厳しい状況ではあるが、その中でも明るい国土の未来、将来像を描くような仕事をしていきたい」と抱負を語る。 国土構造の現状に対しては「拡大成長の時代に対応するためのシステム、インフラ整備は国、地方公共団体や民間も含めて頑張ってきたと思うが、一方で相当無理をしてきたことも事実。人口が急激に減少し、高齢化が進んでいく中で、わが国の制度、システムをそれに見合った形で大きく変えていく必要がある」との問題意識を持つ。
リニア中央新幹線の開業がもたらす効果を最大限に引き出すためのスーパー・メガリージョン構想について、5月に有識者懇談会が最終取りまとめを行った。坂根局長は「提言を踏まえてスーパー・メガリージョンの形成および効果の広域的拡大についての調査に力を入れたい」とし、来年度予算要求を行っていると説明。さらに「広域地方計画協議会を活用しながら、都道府県・政令市・市町村等の知恵を出し合って具体的な効果の議論を進めていく。各ブロックの実態に即して求められる取り組みの具体化を検討する。また、その検討が本当に実現できるのかどうかも調査する。時間的な観念も入れてロードマップを作成したい。不確定要素が大きいが、未来志向で議論し、形に表してみることが大事だ。未来を自らつくっていく仕事なので力を入れてやりたい」と強調する。
国土の長期展望に関しては国土審議会に専門委員会を設置して議論を行う。今後について「前回の『国土の長期展望』の中間取りまとめ以降、時間が経ち状況が変化しているので、このタイミングで根本から考え直そうということ。2050年までの国土の姿を描いて長期的な課題を整理するとともに、その課題の解決方策を探るための議論を秋から始める」と話す。加えて「偶発性と多様性を大事にしながら国土の未来像をできるだけ明るい形で描きたい。持続可能性が世界的に大きなテーマになっている。新しい国土の均衡ある発展とは何か、いろいろな知識・経験・アイデアを入れながら探っていきたい」と意欲を見せた。
【略歴】さかね・のりひろ
1986年東大法学部卒、建設省採用。国交省住宅局総務課長（併）住宅局住宅政策課長、厚生労働省職業安定局雇用開発部長、国交省大臣官房審議官（総合政策局、土地・建設産業局担当）を経て本年7月9日付で現職。58歳。大阪府出身。
