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【インフラ維持管理】 新たな指名競争入札の試行検討
2019/11/27建設時事
建設メール
地域のインフラを適切に維持管理していくための入札契約方式など発注者の取り組みを検討する国土交通省は、27日に開催した有識者懇談会の本年度第2回会合で工事の性格等に応じた入札・契約方式を選択する方向性を示した。従来方式の一般競争入札・総合評価落札方式や一部の地方整備局で試行中の参加者の有無を確認する随意契約方式に加えて、新たな「指名競争・総合評価落札方式」の試行を検討していることが分かった。維持工事の性質・目的から少数応札が想定される場合に限り運用し、指名する企業は地域要件に加え、災害協定や災害時の活動実績等を加味する考え。来年度の維持工事案件からの試行を視野に入れて検討を進める。
国交省では予定価格6000万円以上の直轄工事で一般競争入札を適用している。18年度の状況を見ると、直轄工事の9割以上で一般競争入札を適用し、「維持修繕」の工種でも約9割で一般競争入札を取り入れている。ただし一般土木では平均7～9者の応札があるのに対し、維持修繕は平均2～3者と応札者が少ない傾向にある。特に通年の日常管理を目的とした維持工事は、24時間・365日の対応、緊急時の迅速対応が求められるといった理由から、維持修繕の中でも応札者がより少ない傾向が続いている。
国交省では、地域の状況に応じて多様な入札契約方式の中から適切な方式を選択することが重要と判断。これまでの一般競争での応札状況を踏まえ、競争参加者が少数であることが想定される場合などは、6000万円以上の工事でも指名競争・総合評価落札方式（施工体制確認型）の試行や随意契約方式の試行継続を検討していく。
地方整備局における維持管理に関する実態調査の結果（速報値）によると、維持工事は河川と道路で契約内容や応札の状況等は異なるものの、いずれも一般土木工事と比べて応札者数は少ない。ただし維持工事は今後もなくならない仕事であるため、今後も継続して工事を受注してもらう上で、国交省では中長期的な担い手確保や生産性の向上を課題に挙げる。
なお直轄の維持工事は河川で約9割、道路は約8割で地元業者が受注しており、受注者は7割以上が災害協定を締結している。
