【19年度国交省補正案】 国費総額1・3兆円規模/ゼロ国で977億円
2019/12/13建設時事
建設メール
政府の2019年度補正予算案が13日に閣議決定された。国土交通省の予算規模は国費総額1兆2634億円で、うち約9割に当たる1兆1252億円を災害からの復旧・復興と安全・安心の確保のための対策に充てる。また国庫債務負担行為(ゼロ国債)には事業費ベースで977億円を確保。年度内に契約発注が可能になることで、平準化と効率的な執行を促進する見通しだ。財政投融資には6123億円を充当し、新名神高速道路の6車線化などを進める。
災害復旧・復興等の関係では、自然災害からの復旧・復興の加速に3990億円、防災・減災、国土強靱化の強力な推進に6496億円、国民の安全・安心の確保に766億円を配分する。
主要事業では▽河川、道路、港湾等の公共土木施設等の災害復旧事業等に3954億円▽氾濫発生の危険性が高い地域における河道掘削・堤防強化等による洪水対策に1142億円▽基幹的防災インフラの整備(リーディング・プロジェクト)に195億円▽水害・土砂災害被災地域における再度災害防止対策の集中的実施に107億円▽内水対策強化のための排水施設等の整備に447億円▽高波等による護岸等の倒壊防止対策や面的防護対策に138億円▽市街地の緊急輸送道路等における無電柱化に120億円▽災害時にも地域の輸送等を支える道路のミッシングリンク等の整備に859億円▽鉄道や道路の橋梁の損傷防止対策等、生活・交通機能を失わないためのインフラ整備に308億円▽道路インフラの老朽化対策に187億円▽水害・土砂災害リスク情報の提供や防災情報のアクセス集中対策等に513億円▽洪水等対応型地籍調査緊急対策に19億円などを投じる。地域における防災・減災、老朽化等の集中的支援(防災・安全交付金等)には2240憶4200万円、地域における安全・安心の確保(同)に237億円を配分する。
経済の下振れリスクを乗り越えようとする者への重点支援には103億円を盛った。内訳は中小企業・小規模事業者の生産性向上のための環境整備に81億円、地方創生の推進強化に21億円。注目の事業として建設キャリアアップシステムを活用した地域建設会社の生産性向上に1億円を充てる。
さらに、未来への投資と東京オリンピック・パラリンピック後も見据えた経済活力の維持・向上に約1279億円を計上。Society5・0やSDGsの実現に向けたイノベーションと社会実装の促進等に35億円、子育てしやすい生活環境の整備に117億円、外国人観光客6000万人時代を見据えた基盤整備に126億円、生産性向上を支えるインフラの整備に1001億円を投じる。主要事業では公共工事における無人化施工等新技術の推進に4億円、マイナンバーカード・マイナポータルと建設キャリアアップシステムの連携推進に6億円、国際空港へのアクセス強化等に3億円、経済活力の維持・向上に資する港湾整備に107億円を付けた。地域における成長の基盤となる社会資本整備等の総合的支援(社会資本整備総合交付金等)には362億6700万円を充当する。