<税金豆知識> 税金の負担が大きくて困っている!そんな建設業経営者の方におすすめな節税方法
2020/02/27コラム
税金豆知識
建設会社を経営していて、どんどん大きくなる税金の負担に頭を悩ませている方もいるのではないでしょうか。会社が上手くいくようになり、大きな仕事が増えれば増えるほど税の負担も大きくなります。そこで重要になるのが節税対策です。節税対策をしっかりしておけば、無駄な出費を防ぐことができます。今回は、建設業経営者向けの節税方法を詳しく解説していきます。
仕事を外注して外注費として申請すれば節税できる
節税対策をする際に、まずやっておきたいのが消費税や社会保険料の削減です。消費税は簡単に節税できないため、どうしても高額になってしまいます。法人税なら経費を増やすなど節税方法は色々ありますが、消費税は節税が難しいです。その理由は色々ありますが、大きいのが消費税が給料に含まれていないからです。給料に消費税が含まれていないため、どんなに給料を支払っても経費にはならず負担は減りません。これをどう節税するかですが、おすすめなのは外注費を使う方法です。外注費は給料とは違い消費税が含まれるため、お金を支払えば負担を減らすことができます。
具体的な方法としては、仕事を個人事業主として建設業をしている一人親方へ依頼します。そうすれば、本来社員に支払うはずだった給料を一人親方へ外注費として支払うことになり、消費税を減らすことができます。例えば、売上が500万円あったとして、そのうちの50万円を社員に給料として支払うとします。この場合は消費税が減らせないので、500万円全てに消費税を課せられてしまいます。それを一人親方に仕事を依頼し、外注費として50万円支払えば450万円にだけ消費税が課せられることになります。
この方法のポイントは、会社を拡大する時に社員を増やすのではなく、下請けを上手く活用することです。一人親方などに外注すると、他にも良いことがあります。それは社会保険料などの負担も減らせるという点です。社員を雇うと社会保険料の半分を負担しなければなりませんが、外注してしまえばそういった負担もなくなります。ただし、社員のように働いている人に仕事を依頼して、外注費として経費にすることはできません。あくまで外部の職人に外注していることを証明しなければ、この節税方法は使えない点に注意が必要です。
印紙税を抑えて節税する方法
工事を請け負う時に収入印紙を契約書に貼りつけますが、この印紙代が大きな負担になることもあるでしょう。大きな工事になると印紙代も高くなってしまうので、これをどうにかできないかと悩んでいる方も多いかもしれません。例えば、大規模な工事の契約書を結ぶ時には、収入印紙代が2,000円程度かかってしまうこともあります。1回1回の印紙代はそれほどでもありませんが、もしそれが100件契約したら20万円も印紙代がかかってしまう計算になるのです。
ただ契約書を結ぶだけで、これだけの金額がかかってしまうのは勿体無いと感じるでしょう。そういう時におすすめの節税方法が、契約書を電子媒体にしてしまうことです。契約書は電子媒体でやり取りすることもできます。知らない人もいるかもしれませんが、電子媒体で契約書を結ぶと印紙税を支払う必要がなくなります。ただ電子媒体にするだけで印紙税を0円にすることができますので、やっておいて損はないでしょう。
出張旅費規程を利用した節税方法
社員が出張した時に、宿泊代や交通費などの取り扱いを定めたものが出張旅費規程です。大きな会社では出張旅費規程を定めているところが多いですが、小さな建設会社では規定を定めていないところもあるかもしれません。しかし、この出張旅費規程を定めることで節税ができますから、社員の少ない会社であっても定めておいた方が良いでしょう。なぜ節税できるかというと、出張費用や出張手当を支給することで所得税や社会保険料を負担せずに、社員へお金を支給できるからです。
例えば出張をした場合、会社から一律3万円の出張手当を出すという出張旅費規程を定めたとします。その場合、出張した時に3万円が支給されることになりますが、実際は3万円も経費がかからなかったということもあるでしょう。その時の差額に所得税などはかからないので、結果的に非課税で社員にお金を支給できるということになります。給料として支給すると社会保険料や所得税がかかってしまいますから、出張旅費規程を定めて出張費として支給することで節税することが可能です。
上手く節税して少しでも税負担を減らそう
今回紹介したように、節税対策の方法は色々あります。1つ1つの方法で節税できる額はそれほど多くないかもしれませんが、色々な方法を行うことで結果的に大きな節税に繋がります。いかに節税するのかも会社を上手く経営するためのポイントになりますから、建設業経営者の方は是非参考にして、自分でもできる節税対策がないか探してみてください。
寄稿者:税理士
現役税理士が、融資に強い決算書とは?、合理的な節税方法とは?など、経理面・税金面の「読んでみて少しでもタメになる話」を寄稿