見たもん勝ち ～建設業応援団～
【新型コロナ対策】 全建が事業量確保と工事対応で緊急要望
2020/03/27業界動向
建設メール
全国建設業協会（近藤晴貞会長）は27日、国土交通省に対して新型コロナウイルス感染症対策に係る緊急要望を行った。現状について、作業員が感染する危険性や住宅設備機器等の資材調達困難による工期遅延、必要経費の負担増といった影響が生じていることに加え、今後の景気悪化による民間発注工事の急減、資金繰り悪化による連鎖倒産も懸念されると説明した上で、財政措置に伴う事業量の確保と工事対応への配慮を求めた。
事業量確保の関係では、直近の被災地等を除いて地域にはまだ余力があることを踏まえ、公共事業予算の増額措置を要望。また連鎖倒産防止のために、中小建設企業向けのセーフティネット構築も必要とした。さらに2020年度の新規発注に当たっては、新型コロナウイルス感染症の影響によることなく、地域の状況や工事の内容に応じてCランクの「くい上がり工事」を拡大するなど地域建設企業の受注拡大を図り、円滑に実施することを盛り込んだ。
工事対応に関しては▽資材調達難があった場合の資材の変更、資材価格が高騰した場合のスライド条項の適切な運用による価格見直し▽監理技術者等要件の時限的な緩和措置▽CPDの取得困難に伴う総合評価における取り扱いの配慮▽建設現場へのマスク、アルコール消毒液など感染拡大防止に必要な物資が行き渡る配慮―について、直轄以外の公共発注者への周知徹底も含めて要望した。
◎日建連が対策室設置
日本建設業連合会（日建連、山内隆司会長）は27日、新型コロナ感染症対策室を設置した。室長には山本徳治・事務総長が就任した。
改正新型インフルエンザ対策特別措置法に基づく政府対策本部設置を受け、今後、緊急事態宣言が発令される場合に備え、日建連として講じるべき対策等を実施する。
政府の要請に基づく調査への対応、建設業界における新型コロナウイルス感染症対策に関する問題点の把握、会員からの要望の取りまとめ、政府への提言、関連する業務を実施する。
組織は山本室長のほか、菱田一・建築担当専務理事と小池剛・土木担当専務理事の2氏が次長に就く。
