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【提言】 調査・設計の品質確保⑧(総括)/業務でも適正利潤を/求められる発注者責務

2020/06/22特集企画/PR

建設メール

 品確法運用指針の改正により、測量、調査、設計の建設関連業務では工事と同様に「必ず実施すべき事項」と「実施に努める事項」が位置付けられた。工事と比較して業務では、ダンピング受注対策として低入札価格調査基準や最低制限価格を設定していない地方自治体も多く、特に規模の小さい市町村で目立つ。仮に最低制限価格が設定されなければ「安ければ安いほど良い」という考えがいつまでも解消されず、発注者の責務に「受注者の適正な利潤の確保」を追加した改正品確法の理念とは相反する。
 また最低制限価格は文字通り「最低」限の品質が保証される価格であり、利潤確保につながるものではない。技術者単価の向上が続いているとはいえ、入札で最低制限価格に応札が集中し、くじ引きで受注者が決まる状況が相次ぐようでは本末転倒だ。地方自治体においても最低制限価格等の設定はもとより、案件によってはプロポーザル方式や総合評価落札方式の導入を検討し、適切な運用が求められる。
 業務の発注に当たり、近年では総合評価落札方式を試行導入する県が増えてきた。ただ一部を除いて導入件数は少なく、本格的な導入はまだ先となりそうだ。全国展開する大手企業と地元の中小企業とのすみ分けも課題となっており、地域の特性や実情に応じた独自の制度構築が不可欠だろう。
 改正品確法では、工事で新たに施工時期の平準化と適正な工期設定が求められるようになり、業務でも履行期間の平準化と適正な履行期間の設定が必要になった。年度末の3月に設計業務等の納期が集中する傾向は国を含めた全国的な課題。既に原則として3月に納期を設定することを禁止する自治体も出ており、納期を分散させる取り組みのさらなる広がりを期待したい。最近は次年度に発注する工事の積算を前年度までに完了させる「積算の前倒し」に取り組む市町村も増えてきた。今後は工事を含めた従来の発注サイクルの転換を見据え、業務の履行期限の平準化につながる新たな試みが必要になる。
 公共事業の上流段階に当たる測量、地質調査、設計業務は、工事の品質確保を図る上で重要な役割を果たしている。工事の段階で調査・設計成果の不備が見つかることは少なくないが、不要な手戻りを無くすためにも、発注者と工事および業務受注者による3者会議等の実施や、3次元データを活用するBIM/CIMの導入が今後は重要性を増す。建設関連業界では、改正労働基準法に伴う働き方改革が進んでおり、将来的な担い手確保・育成を考えても、ICTを活用した生産性向上は避けて通れない課題である。そのためにも受注した業務で適正な利潤を生み出すことが極めて大事であり、それが発注者の責務でもあることを再認識するべきだ。
(おわり)

 

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