見たもん勝ち ～建設業応援団～
【生産性向上】 構造物工の出来形管理にICT施工適用
2020/08/04建設時事
建設メール
国土交通省は4日に開いたi－Construction推進コンソーシアムの企画委員会において、さらなる生産性向上を図るための2020年度の主な取り組みを示した。新技術・デジタルデータの活用拡大では、ICT舗装修繕工の実施、構造物の施工管理やメンテナンスへの3次元データ適用など、維持管理分野への取り組みを展開する。橋梁下部工など構造物工の出来形管理等へICT施工を適用し、取得する3次元データを活用した維持管理分野の効率化を図るため、20年度中に要領を整備する考えで、ICT建機による3次元データを用いた構造物の施工管理を通じて出来形計測等を効率化する。
また23年度までの小規模を除く全ての公共工事におけるBIM／CIM原則適用に向け、現場、研究所、企業、大学との連携強化を図る。さらに人力施工を援助するアシストスーツの導入検討や人と機械の動きの分析を通じた作業支援など、AI（人工知能）やIoT（モノのインターネット）をはじめとした技術開発も促進する。
普及拡大と人材育成に関しては、地方自治体発注工事へのICT活用拡大を図る支援体制の充実に加え、一部地方整備局に人材育成センターを整備し、3次元データ活用のための受発注者向け研究プログラムを実施する。19年度の都道府県・政令市におけるICT土工の実施件数は1136件で、毎年増加傾向にある。ただし静岡県や兵庫県のように実施件数が100件を超える県がある一方、11府県は実施件数が5件未満にとどまる。
他にも構造物の標準化に向けた価格以外の要素を考慮したコンクリート工の工法選定検討、地域平準化率目標の設定と取り組みが遅れている市町村等へのフォローアップも進める方針だ。
