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【港湾の防災・減災】 海面水位の上昇考慮した設計導入を
2020/08/18建設時事
建設メール
国土交通省の交通政策審議会が「今後の港湾におけるハード・ソフト一体となった総合的な防災・減災対策のあり方」を答申した。ハード対策では、台風に伴う高潮・高波等に対する施設のかさ上げや補強、新たに整備する施設では将来の海面水位の上昇を考慮した設計を導入するといった施策の方向性を提言。ソフト対策では国と港湾管理者、民間事業者等が連携し、自然災害だけでなく感染症等にも対応した港湾BCP（事業継続計画）の策定などを求めた。
赤羽一嘉大臣は、答申を踏まえて「ハード対策のみでは防げない災害が生じるとの認識の下、自助・共助・公助を含めたハード・ソフト一体となった総合的な防災対策に具体化に取り組み、災害に対して強靱な港湾機能の形成を進める」との考えを示している。
近年の台風による被害は激甚化・頻発化しており、各地の港湾では想定を超えた高潮・高波・暴風による被害が発生し、国内の産業や物流に甚大な影響を及ぼしている。加えて南海トラフ地震や気候変動に伴う災害、新型コロナウイルス感染症の拡大などの新たなリスクが顕在化する中で、災害対応力のさらなる向上が求められている。
主な対策のうち、波浪等に対する施設の安全性確保では、最新の知見で更新した設計沖波等で耐波性能を照査し、重要かつ緊急性の高い移設のかさ上げや補強を実施する。また、施設の更新時期までに予測される平均海面水位の上昇量を加えて設計を行うことを基本とし、技術基準等の整備を検討する。他にもネットワークを意識した岸壁・臨港道路等の耐震化、防波堤の粘り強い構造と避難対策などハード・ソフト一体となった総合的な津波対策の加速が必要としている。
