見たもん勝ち ～建設業応援団～
【道路政策】 踏切対策で一律5年の指定・改良年限緩和も
2020/12/03建設時事
建設メール
今後の道路政策を審議する国土交通省の社会資本整備審議会・基本政策部会が3日に開かれ、踏切対策推進に向けた方向性について意見を交わした。依然として多い踏切事故・渋滞といった課題に対応するため、国交省は改良すべき踏切道の一律5年間の指定・改良年限に代えて、個別の踏切道の状況に応じた機動的な指定を可能にすることや、対象の踏切道だけでなく周辺の迂回路整備や駅改札口の追加を踏切対策として位置付けることを検討の方向性で示した。
2016年の踏切道改良促進法改正により、20年度までに従来の指定を大幅に上回る1180カ所（道路720カ所、鉄道460カ所）が改良すべき踏切道に指定され、うち約6割は本年度末で対策が完了する見込み。また約2割が事業中となっており、改良計画作成も約2割を占める。
一方、緊急に対策の検討が必要な踏切道（カルテ踏切）における未指定箇所の多くが、「開かずの踏切」など抜本的な改良が必要となっており、立体交差化をはじめとして改良計画作成に長期間が見込まれるものは、指定自体が困難な場合が存在する。さらに、現状では5年を超える対策が中心となっていることや改良方法の多様化も踏まえ、改良計画の進捗管理や改良実施後の課題解消を評価するなど、計画的な追跡調査と併せて「見える化」の推進が求められている。加えて依然として高齢者の事故が多く、高齢者等が歩きやすくなるような対策や特定道路上の踏切道のバリアフリー化も進める必要がある。
今後の方向性では、個別踏切ごとの進捗状況の公表や改良後の評価実施、バリアフリー化対応で軌道の平滑化等の具体的方法の明確化を示したほか、災害時の管理方法を定める制度の創設も検討する。
