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【新春インタビュー】 赤羽一嘉国土交通大臣/インフラ分野DX推進/新3Kへ取り組み加速

2021/01/05インタビュー

建設メール

 赤羽一嘉国土交通大臣は2021年の新春インタビューで、防災・減災、国土強靱化に向けた新たな対策を重点的かつ集中的に実施して「防災・減災が主流となる安全・安心な社会の実現」に全力を挙げるとともに、その担い手となる建設業が「新3K」の魅力的な産業になるよう取り組みの加速に意欲を見せた。またインフラ分野のDX(デジタル・トランスフォーメーション)や建設キャリアアップシステム(CCUS)の推進等にも力を注ぐ考えを示した。

 

 ―「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」を踏まえた、国交省としての具体的な取り組みの方向性は
 赤羽 激甚化する風水害や切迫する大規模地震等への対策、予防保全に向けた老朽化対策の加速、デジタル化等の推進にかかる対策について、さらなる加速化・深化を図るため、昨年12月に「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」が閣議決定された。対策の決定について全国知事会からは評価する旨や、建設業協会からも感謝の意が表明されるなど、各方面から評価の声をいただいている。
 各地域の首長から、来年度以降も防災・減災、国土強靱化の取り組みをさらに充実させるとともに、中長期的視点に立って計画的に実施できる必要・十分な予算の継続を強く求められてきたところであり、国民の安全・安心をより一層確保するための対策を最大限講じていくことが不可欠であると考えてきた。国土交通省としても「5か年加速化対策」により、中長期的な視点に立った計画的な取り組みとして、国民の安全・安心をより一層確保するための必要かつ十分な対策をしっかりと進めていきたい。
 具体的な取り組みとしては、計53の対策を重点的かつ集中的に実施する。関係機関と協力・連携の上、「防災・減災が主流となる安全・安心な社会の実現」に全力を傾ける。

 

 ―防災・減災を担う建設業の担い手の確保・育成に向けたCCUSの普及加速や改正建設業法に基づく新たな技術検定制度開始などの今後の展望は
 赤羽 建設業は社会資本整備の担い手であると同時に、地域の経済や雇用を支え、災害時には最前線で地域社会の安全・安心の確保を担うなど、「地域の守り手」として、国民生活や社会経済を支える役割を担っている。一方で、建設業は他産業を上回る高齢化が進んでおり、将来の建設業を支える若年入職者の確保が喫緊の課題となっている。このような状況の中、19年6月に成立した新・担い手3法に基づき、工期の適正化や施工時期の平準化の推進、技術者制度の規制の合理化等の取り組みを進めて、建設業の働き方改革と生産性向上を図っている。
 工期の適正化について、昨年7月には受注者・発注者も参画する中央建設業審議会において「工期に関する基準」を作成・勧告した。労働環境の改善につながる工期の適正化が促進されるよう、建設業者にも協力をお願いしたい。
 技術者制度については、新・担い手3法により、監理技術者や主任技術者の配置要件が合理化された。21年度には新たな技術検定制度が開始され、若年技術者の活躍の場は増えるとともに、限りある人材の有効活用につながるものと期待している。
 技能者の処遇改善に向けては、公共工事設計労務単価の引き上げによる適切な賃金水準の確保、社会保険への加入徹底に加え、CCUSの普及・活用に取り組む。特にCCUSに関しては、技能者の技能と経験に応じた適正な賃金支払いにつなげるために必要不可欠な取り組みであり、昨年11月30日に開催した建設業4団体との意見交換会において、官民一体となって、さらなる普及促進に向けて取り組む決意を新たにしたところ。
 国土交通省としては、「給与がよく、休暇がとれ、希望が持てる」新3Kの魅力的な産業となるよう、取り組みをさらに加速するとともに、業界等と連携しながら建設業の担い手確保に向けたさまざまな取り組みを、しっかりと進めていきたい。

 

 ―建設業の働き方改革のためには、i-ConstructionやDXなど新技術活用の視点も重要になる。21年の取り組みは
 赤羽 国土交通省ではICT技術や3次元データの活用等による建設現場の生産性向上を目指すi-Constructionに、16年度から取り組んできた。建設現場の生産性向上や働き方改革、リモートを中心にした新型コロナウイルス感染症対策を実現する上で、その重要性がますます高まっており、取り組みのさらなる加速が求められている。
 また、社会のデジタル化が進展し、働き方が大きく変わることが予測されている。国土交通省では建設現場だけでなく、公共サービスや業務など、インフラ分野全体の変革を行うDXを推進しているところ。21年には、インフラ分野のDXで実現する未来像に向けて引き続き省横断的に検討を進め、具体的な取り組みをまとめ、公表する予定だ。
 併せて、公共事業の円滑な実施や感染リスクの低減等に貢献するとともに、建設業の新しい働き方へ転換するため、新技術の現場導入を進めるなど、インフラ分野のDXの取り組み加速を図りたい。

 

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