見たもん勝ち ～建設業応援団～
【月間アーカイブ・1月】 円滑な施工確保へ連携を
2021/02/04建設時事
建設メール
【1月のトピックス】 「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」の初年度分の対策費などが盛り込まれた、政府の2020年度第3次補正予算が28日に成立した。コロナ禍においても激甚化・頻発化する自然災害から命や暮らしを守るため、補正予算で措置された公共事業予算の迅速な執行とともに、円滑な施工の確保が重要となる。感染拡大防止に万全を期しつつ、市場実態を反映した予定価格の設定や適正な工期の確保、施工時期の平準化などは関係省庁や地方自治体が連携して取り組む必要があるため、赤羽一嘉国土交通大臣は29日の閣僚懇談会で関係閣僚に対して協力を要請した。
国交省と総務省では、地方自治体が発注する工事の着実な実施に向けて円滑な施工確保を求める通知を出した。土木以外を含めた全ての発注担当部局との連携・情報共有の徹底を図ることや、地域の建設業団体等との緊密な連携も求めた。特に各市町村が管内に所在する建設業団体などと意見交換を行い、受注環境を把握することで工事の円滑な発注や入札・契約適正化に努めることが必要としている。
5か年加速化対策の対象事業を重点的・集中的に進める上では、地域と一体となった取り組みの実効性が今後は問われることになる。
【政府建設投資は高水準】
27日に公表された「建設経済モデルによる建設投資の見通し」（21年1月版）によると、20年度の建設投資は前年度比3・1％減の63兆3500億円、21年度は同比2・4％減の61兆8000億円と減少を予測したものの、17年度以降、5年連続で61兆円を超える見通しになった。20年度・21年度ともに政府投資は25兆円を超える高水準となる一方、民間投資は住宅、非住宅がいずれも減少傾向にある。
特に住宅投資はコロナ禍での落ち込みから一部で回復の動きがあるとはいえ、足元を見ると20年の新設住宅着工戸数が前年比9・9％減の81万5340戸となり、4年連続で減少した。依然として持家は低水準が続いている。21年度以降の建設投資を左右する住宅投資の水準を、引き続き注視する必要がありそうだ。
