見たもん勝ち ～建設業応援団～
【建設業法令順守】 賃金支払いと適正工期の情報収集・調査を
2021/06/07建設時事
建設メール
建設業法令順守に向けた国土交通省の推進本部は、2021年度の活動方針を決めた。新たに「技能労働者への適切な水準の賃金支払い」と「著しく短い工期の禁止」を重点事項に加え、情報収集や調査を行う。不良・不適格業者への対応に向けた都道府県とのさらなる連携強化にも乗り出す。また、新型コロナウイルス感染症拡大防止を踏まえ昨年度に引き続き10月から12月までの3カ月間を「建設業取引適正化推進月間」に位置付け、講習・研修会、立入検査等を通じた建設業法令順守の普及・啓発を図る。
重点事項のうち、賃金支払いの関係では、標準見積書の活用状況や見積もりに基づく協議の状況、代金の支払い状況等を確認し、継続して改善状況を調べる。工期に関しては、過去の同種類似工事の実績との比較や建設業者が行った工期の見積もりの内容精査、工期設定の結果に基づく時間外の労働時間状況の把握などに努める。
不良・不適格業者への対応では、近年の建設業者による施工不良の問題等を踏まえ、許可行政庁間の速やかな情報共有や合同での立入検査等の実施、事後の営業状況の継続的な把握について、連携・協力して対応する。
20年度の活動結果によると、建設業者に対する立入検査等の実施件数は416件で19年度から182件減少した。監督処分・勧告の実施では、20年度は許可取消処分が1件発生（法人税法等違反）したほか、営業停止5件、指示11件、勧告82件の処分を実施した。勧告の主な内訳は下請け代金の見積・決定が47件、下請け契約の締結が9件、追加・変更契約が8件、下請け代金の支払いが4件など。昨年10月の建設業法改正に伴う処分・勧告は発生していない。
法令違反疑義情報受付件数は1353件で、うち大臣許可業者に対するものが506件を占めた。都道府県との共同開催を含めた建設業の法令順守に関する講習会等の開催件数は30回だった。
なお、3月末時点で国交省ユーチューブチャンネルに掲載した法令順守のガイドライン改訂に関する説明動画は約1万9100回、適正取引ハンドブック（第2版）の説明動画は約9400回の視聴回数を記録している。
