見たもん勝ち ～建設業応援団～
〈耳寄り〉 建設会社でもワクチンの職域接種実施へ
2021/06/10業界動向
建設メール
政府が新型コロナウイルス感染症に係るワクチンの職域接種を行う方針を示したことを受け、いわゆる「エッセンシャルワーカー」として公共工事に携わる建設会社でも取り組みが進む見通しになった。大成建設（東京都新宿区、相川善郎社長）は、接種を希望する同社グループの全役職員（契約社員・派遣社員等含む）およびその家族のほか、全国の作業所に入場する協力会社従業員への職域接種を実施することを決めた。接種者数は約3万人を想定し、今月21日以降、準備が整い次第開始する。ワクチンは、政府から配給を受けるモデルナ社製となる。
同社では「協力会社の従業員まで接種を行うことで、職域接種の課題となっている中小企業への対応を加速化させる」とした上で「今後も人流の抑制や人との接触機会低減の観点からテレワークなどの取り組みを推進しながら、社会資本整備の担い手として、建設業に求められる社会的使命を果たす」との考えを表明している。
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公共交通や物流をはじめとして、社会生活に必要不可欠なライフラインを維持するエッセンシャルワーカーを多く抱える業界を所管する国土交通省では、事業者と連携を取りながら準備を進めている。赤羽一嘉大臣は「職域接種が可能となるということは、結果としてエッセンシャルワーカーへの早期接種が実現することにつながる」とし、省を挙げて全力で取り組む考えを示す。不動産・建設経済局では建設業団体に対し、職域接種の申請受付が開始されたことを踏まえ、8日付で取り組みに対する理解と適切な対応を要請した。
建設関係では他にも、木造注文住宅を手掛けるアキュラホーム（東京都新宿区、宮沢俊哉社長）が従業員および家族、グループ会社、取引先とその家族の計1万人に対し職域接種の実現を目指す方針を表明した。ネットワークを組織する全国中小工務店（ホームビルダー）と取引業者の接種を支援する点が特徴だ。裾野の広い建設業において、今後のさらなる取り組みが注目される。
