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【交政審】 東京圏地下鉄で2路線の早期事業化を国交相へ答申
2021/07/16建設時事
建設メール
国土交通省の交通政策審議会が東京圏における今後の地下鉄ネットワークの在り方に関する提言をまとめ、15日に赤羽一嘉大臣へ答申した。東京8号線（有楽町線）の延伸と都心部・品川地下鉄構想に関しては、事業主体の選定や費用負担の調整を早急に進め、早期の事業化を図るべきと強調。両路線の事業主体には東京メトロが適当であるとの考え方を示した。また、東京圏の地下鉄ネットワークにおける東京メトロの役割を踏まえた株式売却の在り方等も提言している。都心部・臨海地域地下鉄構想については今後の臨海部の都市づくりとともに、常磐新線延伸（TX）との接続を含め、事業化に向けて関係者による検討の深度化を図ることを求めた。
答申を受け、赤羽大臣は①首都・東京の地下鉄ネットワークの拡充②利用者サービスの向上等を図るための東京メトロの完全民営化の促進③東日本大震災からの復興に要する財源の確保―という長年の課題を「同時に解決する道筋を示していただいた」とした上で、関係者と連携し「新線整備の前提となる公的支援や東京メトロ株式の確実な売却など必要な取り組みを進める」とコメントした。
東京8号線（有楽町線）の延伸は「豊洲～住吉」の延長5・2㎞が対象で、事業費には約1560億円を想定。品川地下鉄構想は「白金高輪～品川」の延長2・0㎞を対象区間とし、事業費には約800億円を試算する。国交省が2019年3月に行った調査では、いずれも新線区間の収支は費用便益比・収支採算性ともに、おおむね良好とされている。
事業主体に関しては、いずれも東京メトロのネットワークとの関連性があり、運賃水準や乗換利便性など利用者サービスの観点、整備段階での技術的な観点からも、同社に対して事業主体としての役割を求めることが適切とした。
さらに同日、赤羽大臣は東京都の小池百合子知事と面談し、東京都と連携して東京8号線延伸と品川地下鉄について必要な支援を行っていくこと、臨海地下鉄に関して都が主催する検討会に国交省も参画すること、東京メトロの株式売却手続きを進めていくことなどを確認した。
