見たもん勝ち ～建設業応援団～
【下請取引実態調査】 見積方法で初めて工期の状況確認
2021/08/02建設時事
建設メール
国土交通省と中小企業庁は、本年度の下請取引等実態調査について、2日から全国の建設業者1万8000業者を対象に郵送による書面調査に着手した。内訳は大臣許可が2250業者、知事許可が1万5750業者で、昨年10月1日の改正建設業法施行後、初の実態調査となる。今回の調査では見積方法で初めて工期の状況を調査内容に加えたほか、約束手形の期間短縮や電子化の状況などを調べる。9月10日までの提出を求めている。
調査対象は、2020年10月1日から21年6月30日までの他の建設会社との取引状況。下請負人との見積方法（提示内容、期間、法定福利費、労務費、工期）や下請契約の締結方法、下請代金の支払い期間・方法、発注者による元請負人へのしわ寄せ・元請負人による下請負人へのしわ寄せ、技能労働者への賃金支払い状況などを調査する。
工期の関係では、下請負人から工期の変更交渉があった際の対応や、工期の変更を認めていない場合はその理由を聞く。下請負人に対しては「工期に関する基準」を参照し、工事工程ごとの作業や準備に必要な日数を明らかにした見積書を交付しているか、工期の変更交渉を行った際の元請負人の対応などを答えてもらう。
約束手形に関しては、最長の手形期間の設問で新たに「61日以上90日以内」を加えたほか、手形を現金化する際の割引料等のコスト負担の協議状況などの把握に努める。
調査後、建設業法令違反行為などを行っている建設業者に対して指導票を送付し、是正措置を講じるよう指導する。未回答業者や法令違反等があり、特に必要がある場合には許可行政庁による立入検査の情報として活用するなど、下請取引の適正化につなげていく。
