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【ICT施工】 年度内に小規模現場対応の要領・基準策定へ
2021/08/27建設時事
建設メール
国土交通省は、中小建設企業へICT施工を普及させるため、中小建設企業が導入しやすく、コストも安価な優れた技術の具体的な検討に乗り出す。27日にICT普及促進ワーキンググループ（WG）の初会合を開き、小規模な現場に対応した基準類整備等に向けた検討に入った。10月には、茨城県つくば市にある国土技術政策総合研究所の建設DX試験フィールドで新たなICT施工技術等の現場試行を行い、試行結果を踏まえて年度内に小規模施工現場に対応したICT施工要領や出来形管理の基準を策定する。2022年度からは直轄の小規模ICT施工の現場で導入するとともに、地方自治体の発注工事でも導入を促していく。
座長を務める立命館大学理工学部環境都市工学科の建山和由教授は、ICT施工の方向性を少し修正する必要があるとし「現場の改善に役立つ有用な技術を選択して活用することと、常により効率的で安全性を高めるため、現場ごとに課題を改善する空気を作ることが大事」と指摘した。
WGは国交省、農林水産省や茨城県、埼玉県、兵庫県、山口県の担当者が委員となり、ICT導入協議会会員団体がオブザーバーとして参加する。現場実証を通じた基準類を整備することで「誰でも」「どんなときでも」ICT技術を活用できるような環境整備を図る。
10月の現場試行では、小規模現場に対応した小型施工機械の関係で▽アースブレインのスマートコンストラクション・レトロフィット▽トプコムの杭ナビショベル、スマートフォンのLiDAR機能（光を用いた測距技術）を使う関係で▽大成ロテックのモバイル端末による出来形計測▽オプティムのGeo Scan―の4社の技術を行政・業界の関係者に体験してもらうとともに、機能や効果の把握に努める。
国交省では、直轄工事でICT施工の実施率が8割に達した一方、地方自治体のICT施工の実施率が3割に満たず、C等級のICT施工経験企業が約半分にとどまる状況を踏まえ、施工規模や内容に応じたICT機器の使い分けを明確にし、コストと生産性を両立させる考え。
