見たもん勝ち ～建設業応援団～
一人親方問題で下請指導ガイドラインに自己診断チェックリスト位置付け
2022/03/10建設時事
建設メール
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適正な一人親方の姿について議論した
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国土交通省の「建設業の一人親方問題に関する検討会」は、9日の会合で社会保険の加入に関する下請指導ガイドラインの改訂内容を了承した。建設業界として目指す一人親方の基本的な姿や雇用関係へ誘導していく一人親方の類型を示したほか、「働き方自己診断チェックリスト」をガイドラインに位置付けることを追加した。年度内に建設業団体へ通知し、2022年度から運用を始める。
主な改訂のうち、適正な一人親方の姿については「請け負った工事に対し自らの技能と責任で完成させることができる現場作業に従事する個人事業主」と定義。多種の立場を経験、専門工事の技術や安全衛生等の知識を習得し、職長クラス（建設キャリアアップシステムのレベル3相当）の能力を有する「技能」と、各種法令の順守や適正な工期・請負金額での契約締結、請け負った工事の完遂、他社からの信頼や経営力がある「責任」を求める。
一人親方が建設企業と請負契約を締結している場合、見積書を事前に交わすことと、書面契約を徹底する。また、現場作業に従事する際の実態を確認するため、働き方自己診断チェックリストで働き方を確認し、労働者に当てはまる場合は雇用契約の締結・社会保険加入を行うよう当該建設企業に求める。チェックリストは、一人親方および一人親方と直接請負契約を締結する建設企業の双方に活用を促す。
元請け企業の役割と責任も整理し、「10代の一人親方」または「経験年数3年未満の一人親方」に発注している場合は、未熟な技能者の処遇改善や技能向上の観点から、ひとまずは雇用関係へ誘導していく。再三の指導に応じず、改善が見られない場合は、現場入場を認めない取り扱いとすることを明記した。
なお、一人親方に対するチェックリストの確認事務の軽減を図るため、不適正な一人親方の目安を策定する考えで、チェックリスト活用の在り方等についてガイドラインの運用状況を踏まえつつ検討を行い、23年度末をめどに一定の道筋を示す見通しだ。
