見たもん勝ち ～建設業応援団～
【総合緊急対策】 適正な代金、工期確保を／原油価格・物価の高騰で
2022/03/26建設時事
建設メール
政府は26日、コロナ禍における「原油価格・物価高騰等総合緊急対策」を関係閣僚会議で決定した。直面する物価高騰による影響を緩和するための対応を緊急かつ機動的に実施するほか、円滑な価格転嫁や賃上げを促し、コロナ禍からの経済社会活動の回復を確かなものにする。現下の原材料費等が高騰する状況を踏まえた新たな価格体系への適応円滑化に向けた中小企業対策等の一環として、建設業における適正な請負代金の設定や適切な工期の確保などに政府全体で取り組む方針だ。
今回の対策では、①原油価格高騰対策②エネルギー、原材料、食料等の安定供給対策③中小企業対策④物価高騰等に直面する生活困窮者等への支援―を4つの柱とする。加えて、2022年度予算で措置した公共事業について、入札契約手続き期間の運用見直しなどにより前倒しで執行するなど、これまでに成立した予算を迅速かつ着実に執行する。
主な対策のうち、賃上げ・価格転嫁対策では、積極的な賃上げや人材投資に取り組む中小企業に対し抜本的に拡充された賃上げ促進税制、赤字でも賃上げした中小企業に対する補助金の補助率引き上げ、公共調達や補助金において賃上げ等を行う企業に対する加点等の実施や利用促進を図るなど、あらゆる施策を総動員し、新しい資本主義の時代にふさわしい賃上げの実現に万全を期す考え。
また、建設業などにおける原材料費等の取引価格を反映した適正な請負代金の設定や適切な工期の確保が図られるよう、公共・民間発注者等に対して周知徹底を行う。
アスファルト合材については、ストレートアスファルト等の原材料費の上昇分を適切に価格へ転嫁できるように、アスファルト合材の取引に関係する事業者等への働き掛けを実施するとともに、資材価格等の取引価格を反映した適正な請負代金の設定や適正な工期の確保を図ることを公共発注者等に対し周知徹底する。
国産材への転換支援対策も盛り込み、国産材製品の緊急的な増産のための輸送費等に対する支援や、国産材製品への転換のための建築物の設計・施工方法の導入・普及に対する支援を行う。
なお、今回の対策に伴う補正予算を今国会へ提出し、成立を図る。
