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【頭首工】 農水省が設計基準改定へ／耐震化や機能保全を追加
2022/05/12建設時事
建設メール
農林水産省は、河川から必要な農業用水を用水路に引き入れるために設置する「頭首工」の設計基準を見直す。東日本大震災を踏まえて各種耐震設計に関する基準が改定される中、頭首工の設計でも効果的な耐震化や機能保全が重要になっているため、必要な内容を追加する。2008年以来の見直しとなり、22年度上半期中の改定を目指す。
現行の基準は、新設する頭首工の設計を想定した内容が中心であることから、既設頭首工について、新たに基準書・技術書に「既設頭首工の耐震性能照査」を設け、基本方針、照査手法、耐震補強などに関する記載を加える。耐震性能照査手法では、国土交通省が20年度に改定した「河川構造物の耐震性能照査指針」などの関係基準・指針の最新の考え方を技術書に反映させ、整合性を図る。
機能保全技術の関係では、「保全管理」の項目を基準書や技術書に新規で設定。既設頭首工の耐震性能照査も念頭にした機能診断方法と性能評価手法の検討、エプロンや護床工などの頭首工特有の部位についての性能評価手法の検討、頭首工におけるストックマネジメントの概念や保全管理の考え方を追加する。併せて、堆砂や河床低下といった頭首工特有の性能低下とその対策を技術書に記載する。
他にも新技術や近年採用されている施設の特徴を整理し、留意点を技術書に追記する改定も行う。
農水省によると、受益面積100ha以上の基幹的な頭首工は1951施設あり、標準対耐用年数の50年を超過しているものが701施設（36％）となっている。
