見たもん勝ち ～建設業応援団～
【国交省が盆通知】 原材料費の高騰踏まえ適正な代金・工期を要請
2022/08/02建設時事
建設メール
国土交通省は1日付で、建設業関係112団体に対して下請契約や下請代金支払の適正化、施工管理の徹底などを求める通知を出した。一般的に盆暮れ通達と称され、例年、資金需要の増大が予想される夏と冬に要請しており、全国の自治体に加えて、昨年12月に引き続き公共・民間の主要な発注者に対しても送付している。今回、「原材料費等の高騰を踏まえた適正な請負代金の設定と適正な工期の確保」や「消費税の適格請求書等保存方式（インボイス制度）の施行」に関する項目を追加し、周知を図った。
新たな内容のうち、原材料費等の高騰への対応では、市場の実勢を適切に反映した価格設定となるよう十分留意するとともに、納期の長期化が見られる場合には過発注や買い占めといった仮需を抑制し、工期設定や工程管理においても十分配慮することを求めた。また、請負代金の変更に関する規定（いわゆるスライド条項等）や工期変更の規定の適切な設定・運用に留意し、工期内の原材料費等の変動への適切な対応も要請している。
社会保険加入の徹底では、一人親方が現場作業に従事する際の実態を確認し、労働者に当てはまる働き方になっている場合は雇用関係へ誘導していくことを追記。
下請け代金支払いの関係では、2026年の手形の利用廃止等に向けて、約束手形をできる限り利用しないよう、振込払いや電子記録債権への移行・手形期間の短縮等の取り組みに努めることを要請。さらに、60日を超えるサイトを「割引困難な手形」等に該当する恐れがあるものとして指導対象とすることを前提とした、運用の見直しを検討していることにも留意するよう求めた。
インボイス制度に関しては、23年10月から制度が施行されることを踏まえ、自己の取引上の地位を不当に利用した行為や優越した地位を濫用した行為に十分留意するほか、「駆け込みホットライン」の活用・周知も呼び掛けている。
他にも、見積もりに当たり、建設副産物（建設発生土等の再生資源および産業廃棄物）の運搬・処理に要する費用など諸経費を適切に考慮することや、技能労働者が能力評価を受けるよう促し、適切な処遇を受けられるよう環境整備を推進することなどを盛り込んだ。
なお、通知の内容は下請負人の選定に関与する全ての者に対して指導するよう強く求めている。
