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【BIM／CIM】 伝達効率化で生産性向上／原則適用前に課題整理
2022/09/01建設時事
建設メール
国土交通省は、2023年度からのBIM／CIM原則適用後に小規模事業者が抵抗なくBIM／CIMを活用できる仕組みを構築するため、年内に集中して取り組む項目・課題を整理した。建設生産システムの実務にとって必要なデータを特定し、引き継ぎ機能を強化する考えで、調査・測量、設計、施工、維持管理の一連の流れに必要となるデータ群を工種も考慮して整理。BIM／CIMの意義は、主として後段階へ情報を引き継ぐ「情報伝達の効率化による生産性向上」にあるとし、3次元モデル以外のデータもBIM／CIMの対象として捉え、確実かつ効率的に引き継がれていくような格納形式・仕組みを検討する。加えて原則適用に向けた課題解決を検討しつつ、将来的な発展への検討にも並行して取り組む。
BIM／CIMについては、これまで3次元モデルの適用・活用を中心に検討してきたが、業界団体からは測量・地質調査等の前段階の業務成果データの確実な引き渡しや、工種ごとに引き継ぐべき重要な入出力データ・適用プログラムの電子データの引き継ぎを求める声が目立っていた。
年内に集中検討する項目は、①後工程に必要な情報伝達の検討（BIM／CIMの本質）②3次元モデルのデータ引き継ぎ③作成レベルの整理④発注者・受注者としての効果・活用方法の検討⑤教育、能力開発―の5つ。
後工程に必要な情報伝達の検討では、施工時の手戻り等の現場での状況を整理、業界団体へのヒアリングも行って全工程において必要性の高い情報・データを特定し、仕組み・ルールを検討する。その際に小規模業者でも扱える方法とすることを優先して、「検討状況監理台帳」の実装を図る。
作成レベルの整理では、3次元モデルを詳細に作り込むべき箇所（複雑箇所）を定義し、複雑箇所については詳細設計段階、施工段階における具体的な詳細度を設定し、それ以外の箇所は詳細度を落とすこととする。3次元モデルを作り込む労力と比較して活用のメリットが小さな工事（小規模工事）の程度も確定させる。
教育、能力開発では、3次元モデルの取扱い関して小規模業者が一から学べるように、先行する業者等が未経験業者に対して個別指導できるような環境を県単位・地域単位で構築する。また小規模施工業者を対象として、まずは詳細設計で作成した3次元モデルを閲覧する、次に多少の修正をする、といった段階的に能力向上ができるような実践的な研修を業界内で構築することを目指す。
