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【BIM／CIM】 発注者が義務、推奨を選択／原則適用へ方向性固まる
2022/12/14建設時事
建設メール
国土交通省は、建設生産・管理システムの効率化に当たり3次元モデルを活用した情報共有を図るBIM／CIMについて、将来像を見据えた2023年度の原則適用の具体化に向けた方向性を固めた。BIM／CIMの意義は、主に後段階への情報の引き継ぎなど情報伝達の効率化による受発注者の生産性向上と定義。業務・工事ごとに発注者が活用目的を明確にし、受注者が3次元モデルを作成・活用できるよう、活用目的の設定に当たっては業務・工事の特性に応じて「義務項目」「推奨項目」から発注者が選択できるようにする。
義務項目は「視覚化による効果」を中心に、未経験者も取り組み可能な内容とした活用目的となり、原則全ての詳細設計・工事が対象。推奨項目は「視覚化による効果」の他に「3次元モデルによる解析」など高度な内容を含むことを活用目的とし、一定規模・難易度の高い事業で発注者が明確にした活用目的に基づき、受注者が1個以上の3次元モデルの作成・活用を目指す。該当しない業務・工事であっても、積極的な活用を推奨していく。
原則適用の対象とする業務・工事は、▽土木設計業務共通仕様書に基づき実施する設計および計画業務▽土木工事共通仕様書に基づく土木工事（河川工事、海岸工事、砂防工事、ダム工事、道路工事）と、関連する測量業務および地質・土質調査業務。単独の機械設備工事・電気通信設備工事・維持工事や災害復旧工事は対象としない。
3次元モデル作成費用は、これまでと同様に見積もりにより計上。推奨項目における3次元モデルの作成・活用を促すため、別途インセンティブの付与も検討していく。
発注者によるデータ引き継ぎでは、確実なデータ引き継ぎのため、業務・工事の契約後速やかに発注者が受注者に設計図書作成の基になった情報説明を行う。対象は測量、地質、土質調査、概略設計、予備設計、詳細設計、工事を対象とする。
3次元モデル活用の義務項目では、活用目的を達成できる程度の範囲・精度で作成することとし、活用目的以外の箇所の作成は精度を問わない。詳細度は、構造形式が分かり、主構造の計上が正確なモデルとなる200～300程度とする。属性情報は、道路構造物、橋梁等の分類の名称「オブジェクト分類名」のみが必須で、その他は任意とする。3次元モデルの作成は、活用目的を達成できる程度の範囲・精度で行い、活用目的以外の箇所の精度は問わない。設計図書は、将来的には3次元モデルの全面活用を目指すが、当面は2次元図面を使用し、3次元モデルは参考資料として取り扱う。
推奨項目では、義務項目の活用に加えて視覚化による効果、省力化・省人化、情報収集等の容易化の例を参考に、受注者が1個以上の項目に分けて取り込むことを目指す。
