見たもん勝ち ～建設業応援団～
【従業員離職型】 建設業が割合トップ／人手不足倒産の半分
2023/02/17業界動向
建設メール
帝国データバンクは、人手不足倒産の動向をまとめた。コロナ禍からの経済再開が進むなか、従業員を自社につなぎとめることができずに経営破綻した倒産が増加傾向に転じているという。特に建設業は、人手不足倒産のうち従業員退職型が半数を占めている。また、今後は賃上げが絡んだ倒産も増えるのではとみている。
2022年に判明した人手不足倒産140件のうち、従業員や経営幹部などの退職・離職に直接・間接的に起因した「従業員退職型」は、少なくとも57件あったという。多くの産業で人手不足感がピークに達した19年以来、3年ぶりの増加となった。
業種別で割合が最も高いのは建設業。50％で半数を占めた。建築士や施工管理者など、業務遂行に不可欠な資格を持つ従業員の離職で、事業運営が困難になった企業などが目立った。
また、物価上昇の中、賃上げ動向が注目されている。賃金アップを求め人材流動性も高まっている。賃上げによって良い人材を高給で囲う動きが強まっており、満足に賃上げされないことを理由に従業員が辞めて人手不足倒産、賃上げしたが収益確保が見合わず経営困難に陥った「賃上げ」倒産。賃上げが絡んだ倒産は今後表面化する可能性があるという。
