見たもん勝ち ～建設業応援団～
【カーボンニュートラル】 学校施設ZEB化で方策示す
2023/03/29建設時事
建設メール
文部科学省は2050年カーボンニュートラルの実現へ、学校施設におけるZEB化実現手法や推進方策などを取りまとめた。地球温暖化対策計画等の位置付けから、30年度以降に新築される建築物はZEB基準の水準の省エネルギー性能の確保が求められており、地方公共団体はZEBのほかにも省エネルギー改修やLED照明の導入などに率先して取り組む。
地方公共団体の学校施設が脱炭素化を図るための課題は▽公共施設の約4割が教育施設▽全保有面積の約4割が老朽化施設▽エネルギー消費の特徴―が上げられる。
地方公共団体が保有する非住宅建築物の約4割は公立幼稚園、小中学校、高校といった教育施設。学校施設での率先した取り組みが必要。公立小中学校施設は、築40年以上経過し、老朽化施設が約4割。省エネルギー性能が低いため既存学校施設のZEB化の取組が必要になっている。また、学校施設のエネルギー消費構造の特徴から、断熱化、空調・照明設備の高効率化が必要となる。
ZEB化推進の基本的考え方は▽快適で健康的な室内環境の確保▽学校施設の環境教育への活用▽建物のライフサイクル全体を通じたCO2排出量の削減▽災害時の利用も見据えた防災機能強化―をあげる。
学校施設のZEB化について、新増築等では原則ZEB Oriented相当以上とし、基準を満たすことが可能な建築物は、積極的により上位のZEB基準を満たすようにする。改修にあたっては、域内の複数の学校施設に対して、費用対効果が高い取り組みから段階的・計画的にZEB化を図るとした。
これらZEB化の推進へ学校設置者には▽首長部局との体制構築▽教育環境向上と脱炭素化の総合的な推進▽多様な整備手法の活用▽環境教育への活用。国においては▽関係省庁との連携▽財政支援制度の一層の充実▽技術的支援の充実と普及啓発―を進めることとした。
