見たもん勝ち ～建設業応援団～
【入契調査で要請】 週休2日考慮した工期を／スライド運用基準も求め
2023/04/06建設時事
建設メール
国土交通省は公共工事の入札および契約の適正化に関する調査の結果を受け、適正化指針に従った必要な措置を講じるよう各発注機関に対して要請を行った。入契調査結果を受けての要請は異例とも言えるもので、週休2日など休日を考慮していない工期設定、スライド条項の運用基準が定められていないなどの回答が多く、適正な対応を求めている。
入契調査結果では、入契法で義務付けされた手続きが行われていない、適正化指針に従った措置が講じられていないなど取り組みが不十分な点が目立った。入契法第20条第1項に基づいて▽入札・契約の情報公開▽ダンピング対策の強化・徹底▽適正な工期の設定▽スライド条項の適切な運用―について要請した。
情報公開に関しては、入契法に基づく公表がされていない場合は規定に違反している状態で、直ちに是正する必要があるとした。入契調査で、団体内部の規定で公表する事項に定められていないなどの理由があったが、入契法の趣旨や規定に違反しているものであり改善を求めている。
ダンピング対策では、低入札価格調査制度や最低制限価格制度の適切な活用を徹底することでダンピング受注の排除を求めた。また、両価格を適正な水準で設定するため2022年3月の中央公契連モデル見直しを踏まえ、算定方式を必要に応じて改定するなど適切に見直すこととした。
適正な工期の設定は、適正化指針や工期に関する基準などに基づき行う。加えて、若年入職者の確保が必要な状況と時間外労働の上限規制が建設業にも適用されることも踏まえ「公共工事の発注者として長時間労働を防ぎ週休2日が確保されることを前提とした工期を設定すること」とした。さらに、週休2日などの休日を考慮せずに設定した工期は適正なものとは言い難く、著しく短い工期で契約したと認められる場合、勧告の対象となる。なお、入契調査で工期の設定に当たって週休2日などの休日を考慮している団体は、特殊法人等・都道府県・指定都市で9割超だが、国は約7割、市区町村では5割未満にとどまっている。
スライド条項に関して、入契調査から運用基準を策定している団体は、都道府県・指定都市のほぼ全て、特殊法人等も約9割だが、国で約6割、市区町村は約3割にとどまっている。条項については工事の請負契約の締結に当たって適切に設定するとともに、労務や資材の価格変動の状況に応じて適切な運用を求めた。ほかにも運用基準についてあらかじめ策定し、受注者とあらかじめ共有しておくことが望ましいとした。
