見たもん勝ち ～建設業応援団～
【BIM連携積算】 3000㎡以上新築設計が基本／官庁営繕で導入開始
2023/04/14積算・資格news
建設メール
国土交通省は官庁営繕事業におけるBIMデータを活用した積算業務（BIM連携積算）の試行を開始した。試行要領などをまとめるとともに、初弾案件として九州地方整備局が大分合同庁舎の設計業務に適用し公告した。EIR（発注者情報要件）を適用する設計業務のうち延べ床面積3000㎡以上の新築設計業務を原則に、本省が指定する案件。今後も順次発注し、複数件の適用が見込まれている。試行の結果から業務効率化につながったのかなど効果検証を行い、今後も対応を検討する。
積算業務の試行は、BIMを効果的に活用するためのモデリング・入力ルール、ワークフローなどを検証するために行う。前提として設計自体がBIMに対応しておく必要があるため、積算の試行対象は新築設計業務からの案件に絞られる。
作業手順として、受注者は設計業務着手に先だって計画書を作成して調査職員と協議。作成は設計と積算の両担当者で調整して進める。計画書の中でBIM、積算、ビューア―など使用するソフト、積算の実施項目について決定しておく。
試行対象の部位は、基本的に建築（躯体）の▽基礎▽柱▽梁▽床板（スラブ）▽壁におけるコンクリート、鉄筋を中心に建築（仕上）の間仕切下地、仕上げのうち外部仕上（外壁および外部開口部に限る）、内部仕上（内部開口部に限る）となっている。
実施する試行は①躯体に関する積算②仕上に関する積算③躯体、仕上以外の積算について効率的に積算を行う方法の検討④設備に関して効率的に積算を行う方法の検討⑤効率的なBIM活用へ設計担当者がBIMデータなど作成時に留意すべき事項や盛り込むべき属性情報などの検討。いずれか、もしくは複数の実施でもかまわない。
試行に関する費用は、当初は別途とし、契約後に受発注者間で協議した上で、数量や費用の確認ができる見積書等を参考に変更して計上する。
なお、BIMソフトの数量と公共建築工事積算基準等での数量と差異が生じる場合がある。これは作業の合理化などの観点で設定された項目などがあるため。この場合は、積算基準に基づく数量に整合を図ることとしている。
